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『金色の獣、彼方に向かう』恒川光太郎著 胸をふさがれるような暗さ、それを突き放して観察するような冷たい視線。 とても対照的なんだけど、その距離感が不思議な世界を生み出すよう。 恒川さんは『夜市』で味わった強烈な印象がなかなか拭えずにいたのだけど、 『金色の獣、彼方に向かう』でまた少しその雰囲気を深めたように感じます。 どこか懐かしさを覚えるような、そんな怖さが魅力だったのだけど この作品集では「懐かしさ」とは違う、もっと異なる感情が底辺にあるように思います。 異界に対する懐かしさ…というよりは畏怖の感情の方が強い、と思う。 それはこの作品集に登場する金色の獣に由来するのでしょうが。 冒頭の「異神千夜」、それから「森の神、夢に還る」の二編が特に好きです。 『夢違』恩田陸著 正直、「怖い」とは思えませんでした。 お話の展開と内容が良く理解できなかったからかも…。 高評価な意見を多数見聞きするだけに、自分がそんな風に思えなかったことが残念で仕方ありません。 この作品は不思議な夢の数々を、解釈したいわけじゃないのね。 むしろ夢は何処からやってくるのか、と問う形。 柊は、夢は内側にあるもので、誰かが干渉出来るものじゃないと思っているから、 自分にはこの物語を理解することが出来なかったのかな…。 それはこの物語の設定そのものに違和感を感じ続けたということだから。 久々の恩田さんの長編だっただけにのめり込めなかった自分が残念です☆ 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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