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今日のご遺体

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2010年02月18日
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カテゴリ:テクニック編
「彼が出勤しない」と会社から連絡がきた。 
家族が見つけたのは風呂の中にいる彼と練炭。

練炭自殺は血中ヘモグロビンが二酸化炭素で化学変化
肌が鮮紅色に変色する。
故人様は初期の変色の段階で顔も体もうっすらとした紫色。
練炭で蒸され
体のあちこちがデロンと大きく皮が剥けてる。
ふやけた肌の故人様を
警察が遺体を浴室から移動する際
持ち上げた箇所の皮が剥けたのだろう。



自殺の原因は仕事。
「ツライ、大変だ」とぼやいていたそうだ…。
イジメ説も出た。
彼は入社1年未満だ。



「そんなに嫌なら辞めれば良かったのに」
「草食系なんだねー」
仕事を終え帰社すると同僚からそんな話が聞こえてきた。



ご家族の動揺や憔悴(しょうすい)を抑えきれない様子を伏し目に
故人様の紫色の顔を肌色にメイクしてきた。
「バカだな…今度は幸せになるんだよ」
故人様のおでこを撫でてバイバイ
お悔やみとエールを贈る気持ちで仕事を終えてきたのに
同僚達は全く正反対な意見。
・・・。
私はアラフォーで若者の文化も精神も恐らく理解できていない。
でも
若さ=甘さで片付けている事に、言い知れぬ怒りを抑えるのに必死だった。


たしかに
社会人1年未満で人生を挫折するのは早すぎる。
人は社会に出て、大なり小なりそこに適合する努力をする。
終身雇用があやしい世の中でも
「行けるとこまで行こう」と頑張る。
みんな必死だ。
人生なめてる人なんていない。
「俺たちは毎日そうやってどんなストレスにも負けず何年も頑張っている!」
ただそんな人に質問したい。

 「その生き方に働きがい・生きがいを感じていますか」?

辛いばかりが人生ではない。
だが、人は心の闇に捕らわれてしまう事も時にある。
自分の価値を見失ってしまい
このような悲劇が起こることもある。

だが問いたいのは
「ワタシ、今、生きている」
毎日そう実感しながら生き生きと生きているか?

人間は「自己存在確認」「存在意義」が出来ないと生きていけない生き物だ。


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

NHKのクローズアップ現代で「ほめる力」というテーマを取り上げていた 

企業研修で「ほめる研修」というのがある。
社員同士や上司が“誰か”をほめる。

うわべの言葉では相手の心は動かない。
人をほめるという事はちゃんと相手を見て、相手を知ろうとした人。
愛を持って見ていた人じゃないと、人をほめることが出来ないのである。

また、不思議な事に「ほめる」事は「ほめた側の人間」の方がうれしい気持ちピンクハートになるそうなのである目


ほめられて初めて
自己を再発見するかもしれない。
「わかっていてくれたんだ泣き笑い」との自己認識も。。
結果、心に温かいモチベーション上向き矢印が植えつけられる。

一方「ほめ言葉」を集めた自費出版の冊子が口コミで2万部近く売れている。
ある育児中主婦は
誰にも「評価されない」日々に
空虚感に捕らわれていた。
その時、冊子の「毎日がんばってるよね」の一文に
「言われたかったのはこの言葉だ」
と涙が止まらなかったという。


この“ほめる”研修を行うのは、とある某覆面調査会社。
きっかけは同社社長の友人の自殺。
「頑張っても認めてもらえない」
努力よりも成果と結果・マイナス点ばかりが追及された時
生きる力が喪失した。

「職場が人を病気にする場所であってはいけない」

亡くなった友人を認め
正しく評価する人が会社にいたならば…と同氏は痛感。
事実、ほめる覆面調査後は離職率が大幅に減少するそうだ。


業績を上げるのも、人が幸福感を味わうのも 簡単でお金はかからないのだ

「毎日生きがいを持って、生きていますか?」
「周りの人があなたの頑張りや苦労を理解してくれていると実感しますか?」
「あなた自身は誰かのことを見つめ、素敵なところをほめてあげる事がありますか?」

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




100年に一度の経済危機。自殺者3万人。内、男性のしめる割合2万人強。
その中の一人である練炭の故人様はまだ若すぎた。
彼が自分を律するには自信も経験もなさすぎた。
そして彼の気持ちをフォロー出来る人もいなかった。
もうひとつ言うなら…
彼の環境は社員に対する愛情と余裕が欠損していたのかも…。 




葬儀には本当に大勢の友人が来た。
彼の父は彼の死に方をあえて隠し立てしなかった。

父として大人として社会人の先輩として
息子である彼が断念した人生を若い友人たちへ託すかのように
「彼の分も生き抜いて欲しい」と挨拶をしめた。


出棺後も葬儀なれしていないほとんどの友人たちは
いつまでも立ち去ることなく
どうしていいのかわからず
その場で悲しみ戸惑い続けていた。

現代の若者の置かれている現状の様にも感じた。
そんな若い彼らに彼の父の願いがちゃんと届くことを願った。


【今日の教訓】 「幸福」は他人に関心を持つことから始まる


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最終更新日  2010年12月06日 02時59分26秒
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