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テーマ:小学生ママの日記(28635)
カテゴリ:ヒデキのあゆみ
昨日の夕方のことです。
いつものようにマンションの敷地内でお友だちと遊んでいるヒデキ(小4)に、 「ちょっとお姉ちゃんと買い物へ行ってくるから、 暗くなったら家に帰ってるんだよ」 と言い残し、私は娘のサキ(中1)と買い物へ。 寒くなってきたので、制服の上に着るカーディガンを探しに行ったため、試着したり、店を変えたりするうちにすっかり外は暗くなり、私の携帯が鳴ったのは6時すぎ。 どこか他の家からかかってきたその電話の相手は、ヒデキでした。 「ヒデキ? どうしたの? どこにいるの?」 「それはこっちが聞きたいよ~ ママたち遅すぎるよ~ 今、どこにいるの? 何時に帰ってくるの?」 「ごめん、ごめん。もうすぐ帰るから。 誰の家にお邪魔しているの?」 「R君んち」 R君は、同じマンションンの6年生です。 「ちゃんとお礼を言って、もう家に帰って待っててね」 「うん、わかったよ」 それから約20分後、娘と帰宅したのですが、ヒデキが帰ってきた形跡はありません。 私は慌ててR君の家に電話をしました。 「すみません、ヒデキがいつまでもお邪魔していて…。 今、帰ってきたので、ヒデキにも戻るように行っていただけますか?」 「ヒデキ君なら、少し前に帰りましたよ」 「えっ 少し前って、どのくらい前でしょうか?」 「10分くらいかなぁ?」 おかしい R君とは同じマンションだから、5分以上かかるはずがありません。 (さてはアイツ、別の家に行ったな) 私は続いて、いつもお世話になっているT君の家に電話を。 ところが、 「え?ヒデ君? 来てないよ~」 そんな… ここにもいないなんて? サキと2人で外へ出て見ても、ヒデキが帰ってくる気配はまったくありません。 自転車は? ちゃんと、自転車置き場にあります。 ちょっとの距離でも歩きたがらないヒデキが、自転車なしでマンションの坂を下って外へ行ったとは考えられません。 私はその後もマンションじゅうの小学生のいる家に電話をかけたのですが、ヒデキはどこにもいませんでした。 ヒデキが消えた あと、考えられることは… 「エレベーターの故障で、中に閉じ込められた?」 慌てて行ってみましたが、エレベーターは2台とも順調に動いています。 そこに作業着を着て、荷物を運んでいたお兄さんがいたので、思わず、 「あの~、 太った小学生の男の子がいませんでしたか?」 と尋ねたところ、 「ああ、さっきまでそこにいましたけどねぇ…」 (こういうとき、特徴のある体型は役に立つんだ、と納得。笑) 「いましたか? どこにですか?」 そこにもヒデキはいませんでした。 「階段から転げ落ちて、動けなくなってる、とか?」 サキの冗談も、だんだん冗談に聞こえなくなってきました。 「う~~ん… でも、それならきっと大声で泣いてると思うんだよね」 時間は既に7時すぎ。外は真っ暗で、冷たい風が吹いています。 不安が募ります。 もう、長いことヒデキに会っていないような気がしてきました。 ヒデキは一体、どこへ??? 何より、こんな時間までお腹を空かせたはずのヒデキが何も食べずにいるなんて、考えられません。 最後に管理人さんにまで尋ねてみましたが、わからないまま。 「ママ、警察に連絡してみたら?」 サキのことばに、それまでずっと頭をかすめそうになっては打ち消していたことばが、クッキリと浮かんできました。 誘拐 「まさか… あんなに太ってる子を誘拐しようなんて人はいないよねぇ?」 「そうだね~、見るからにいっぱい食べそうだし、運ぶのも重いし…」 「何よりほら、うちはお金なんてないもんね~」 「うん、ないない。ははは…」 わざと明るく笑えるように会話を運ぶ2人ですが、心の不安はどうしても拭いきれませんでした。 「それにしても、もうこんな時間だもんね。 やっぱり、警察しかないかな」 最後の最後に、同じマンションのサキの親友Yちゃんのお母さんに電話してみることに。 ヒデキはYちゃんのお兄ちゃんも大好きで、たまに遊んでもらっていたので…。 「あ、もしもし、ひなたです。 ごめんね、突然。 あの~、ヒデキがお邪魔していないかな?」 「ヒデキ? さっき…と言ってももうだいぶ前だけど、○ブンの前で見かけたよ」 「え~~っ ○ブン!?」 (ああ、間違いない。今もきっとそこにいる!) ○ブンは、坂の下にあるコンビニエンスストア。 幼稚園の頃から、バスの送迎がそのお店の前だったこともあり、お店のオーナーさんや店員さんたちとはず~っと仲良しのヒデキ。これまでも、買い物の途中でお金を落として泣いていたヒデキにお金を貸してくださったり、お腹を空かせているときには、こっそり焼き鳥を下さったり…と、本当によくしてもらっていて、ヒデキの大好きな人たちのいるお店です。 そこにいたのなら、もう安心です。 それにしても、○ブンとはまったく想定外でした。 「ありがとう。 じゃ、早速行ってみるね♪」 と、電話を切ったその瞬間、携帯が鳴り、 「○ブンの●●(店員さん)ですが、可愛いヒデキ君をお預かりしています」 続いて、ヒデキの声。 「ママー、 ママたちが買い物の帰りにここを通ると思って待ってたらね、 おじちゃんたちが、 “外に立ってたら風邪ひいちゃうから、中で待ってな” って言ってくれてね~」 おお~~~っ ヒデキの声だぁーーー いけない、感動してる場合じゃなかった。 「コラッ! 心配して捜しまわっちゃったでしょ? 理由はわかったから。 今から迎えに行くからね」 本当に、無事で良かったぁ~~ ヒデキは、 「え~~? なんでオレ、ママたちを待ってただけなのに怒られちゃうの?」 と、不満顔ですが、いるはずの場所に連絡もなしにいないと、どれだけ周りが心配するかをこんこんとお説教。 「ま、一人でお留守番するよりも、ここにいた方が安心だと思ったんだね?」 と私が聞くと、 「そうだよ~ だって、おじちゃんたちの顔を見るとハッピーになれるしな~」 それを聞いたオーナーさんも、 「これからも、そういう時はいつでもおいで~」 こうして無事、ヒデキは発見されたのでした。 家に着いたとたん、 「ああ~~、オレもうお腹ペッコペコだよ~~ ママ、ご飯まだ? 早く何か食べさせてよ~」 「ちょっと!いったい誰のおかげで遅くなったと思ってるの? おとなしく待ってなさい」 叱りながらも、いつもの、当たり前の生活に戻れたことが、ただただ嬉しい私でした。 あ~~、寿命が縮まったぁ…。 ひなたまさみ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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