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2008年07月17日
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カテゴリ:私の日常
おはようございます晴れ
今日はまた一日じゅうPower Pointの研修です。
ごめんなさい、レスが遅れています雫


派遣会社まで片道1時間半。
都内へ出るときの私の楽しみといえば…

読書


そうそう、いつか日記にもアップした林芙美子さんの作品のあと、どうなってしまったのか日本文学全集は???

はい、読んでいます。
あれから志賀直哉、井伏鱒二などの作品集を読みましたが、

一昨日は、

島崎藤村『破戒』

を電車で読みました。


有名な作品なのに、私はこれまで読んだことがありませんでした。

おまけにこの作品を読み終えるまでずっと、

私は破戒のことを破壊だと思い込んでいました。

もちろん題名は『破戒』だと知っていたのですが、

「破壊」のことを昔は「破戒」と書いていたのだろう、

と勝手に想像し、

いったい、何が壊れてしまうんだろう?

と、そればかりを気にしながら読んだわけです(笑)。


これは、

部落出身の青年教師、瀬川丑松が、自分の出生について世間に公表するまでの苦悩のストーリー

と言って良いのでしょうか?

えた・ひにん

って、今はもう教科書に載っていませんね?
私の頃には社会の授業で習いましたが…

士農工商の下の階級。
部落に住み、他の階級の人たちと交わることを許されず、差別を受けていた人々。

やがてその制度が廃止され、「新平民」として名前を持ち、戸籍を持つようになっても、
差別は変わらず続いていました。

えた出身だというだけで、下宿を追われたり、結婚を諦めたり…


お父さんは息子丑松に、

隠せ

と、言い続け、大人になった丑松は、天真爛漫だった子ども時代とは別人のように物思いに耽り、いつも何かに怯えるように生きるのでした。

何故、自分は学問して、正しいこと、自由なことを慕ふやうな、其様な思想を持ったのだらう。

同じ人間だといふことを知らなかつたなら、甘んじて世の軽蔑を受けても居られたらうものを。

何故、自分は人らしいものにこの世の中へ生れて来たのだらう。

野山を駆け歩く獣の仲間ででもあつたなら、一生何の苦痛(くるしみ)も知らずに過されたらうものを


私は、どうしてかわからないけれど、こういう文体がとても好きです。
読んでいて、とても落ち着く感じがします。


さて、そんな丑松にとっての憧れの存在は、猪子蓮太郎。
部落出身でありながら、小説家として世間の人々からも評価されている同郷の先輩。

丑松は彼の作品が出るたびに、その本を買って読みました。

いつか、この先輩にだけは、自分も部落出身者であり、
彼の作品にどれほど心を励まされてきたかを伝えよう


と決心する丑松ですが、いざ2人きりになって、

今日こそ打ち明けよう!

今、言ってしまおう!


とドキドキしつつ、どうしても告白できない葛藤。

そして青年らしく、密かに思いを寄せる娘の存在もありますが、この恋も相手に打ち明けることはできず…


最後はついに自分の出生の秘密が、学校じゅうの噂となり、自ら生徒たちに懺悔することに。

「皆さんも御存じでせう。
是山国に住む人々を分けて見ると、大凡(おおよそ)五通りに別れて居ます。
・・・・・・
・・・・・・
御存じでせう、そのえたは、今でも町はづれに一団(ひとかたまり)に成つて居て、皆さんの履く草履を造つたり、靴や太鼓や三味線等を製(こしら)へたり、あるものは又お百姓して生活(くらし)を立てて居るといふことを。御存じでせう、そのえたは、御出入りと言つて、稲を一束づつ持つて、皆さんの父親(おとつ)さんや祖父さんのところへ一年に一度は必ずご機嫌伺ひに行きましたことを。
御存じでせう、そのえたが皆さんの御家へ行きますと、土間のところへ手を突いて、特別の茶碗で食物(くひもの)なぞを頂戴して、決して敷居から内部(なか)へは一歩も入られなかつたことを。
・・・・・・
・・・・・・
まあ、えたをいふものは、それ程卑賎(いや)しい階級としてあるのです。
もしそのえたがこの教室へやつて来て、皆さんに国語や地理を教へるとしましたら、其時皆さんは奈何(どう)思ひますか、皆さんの父親さんや母親(おつか)さんは奈何思ひませうかーー

實は、私はその卑賎しいえたの一人です」

「ああ、たとひ私は卑賎しい生れでも、すくなくも皆さんが立派な思想(かんがへ)を御持ちなさるやうに、毎日其を心掛けて教へて上げた積りです。
せめて其の骨折に免じて、今日迄のことは何卒(どうか)許して下さい」


生徒たちに跪いて詫びる丑松。

変なの。
同じ人間なのにね。


こんな時代にこんな苦労をしなくちゃいけなかった人たちのことを思うと、
私なんか、どんなに自由で、どんなに幸福なことだろう。
仕事がない、なんて腐ってる場合じゃないね。


でもこの時代に、
差別が多くの人たちにとって「当たり前」だったときに、
こういう作品を書いた島崎藤村という人は、やっぱりものすごい人だと思うのです。
『破戒』は1906年、彼が34歳のときの作品だそうです。
若い!!!
彼の才能に、思わずため息が出ます。


島崎藤村のもうひとつの代表作、『夜明け前』は、残念ながらこの『島崎藤村集(一)』には載っていません。
今日の電車では『千曲川のスケッチ』を読もうと思います。

読書はやっぱり楽しいですね♪

ひなたまさみ






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最終更新日  2008年07月17日 07時46分13秒
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