学習塾へ通い始め、学習意欲も高まり、毎日楽しく登校していた中2の娘サキ。
いつまでもそんな平和な日が続くとは思っていませんでしたが…
「学校やだ」
今回の理由は、
「ヤンキーが怖い」
だそうで…。
朝のバスでよく一緒になる3年生の女子2人組。
サキの親友Aちゃんがまず呼び出され、
「そのスカート、はかないで」
(規定のスカートと違うパターンの、要はちょっとお洒落なミニスカート)
と注意され、次は夏休みにいきなり身長が伸びた後輩Mちゃんが呼び出され、
「そのスカート、短くね?」
Mちゃんが、身長が伸びたことを伝えると、
「ふーーーん。
そういうときは…
言いにきて」
って、わけわかりません(笑)。
誰もそんなこと、いちいち言いに行かないでしょ?
私から見れば、その言動はとても幼く、怖がる相手ではなさそうですが、サキにとっては自分の仲良しが次々に呼び出されてしまうと、
(次は私かな?)
と、焦りまくるわけでして…。
数日前も、通勤途中の電車の中で、サキが学校に行きたくない、とメールしてきました。
「今行ったら、ヤンキーと一緒のバスになりそう」
「じゃ、時間ずらして行けば?」
「わかった」
「やっぱムリ。
学校休んでいい?」
電車から降りて電話してみると…
「いやだよぉおおおおお~~~~」
サキ号泣。
ヤンキーの妄想で頭の中がパンクしそうになっているようでした。
「たくさん泣いて落ち着いたら、遅くなっても学校へ行くように」
と伝え、担任の先生に慌ててメール。
困ったもんです。
私だって家に引き返すわけにはいきません。
ヤンキーちゃんたち。
頼むから、支援学級の子たちにまで横やり入れてこないでよね
呼び出される前からこうなるんだからさぁ~~。
仕方ない。
アレでいくか。
私は家でパニック状態になっているであろう娘のために、秘密兵器を出すことに。
シューゾー
はい、テニスの松岡修造さんのことです。
普段はクールな娘ですが、なぜかあのシューゾーさんの暑苦しさが嫌いじゃないんです。
「しかもシューゾー、イケメンだし」
だそうで。
そこで私もシューゾーになりきって、娘にメール。
「サキ、しゃんとしなさい!
頭の中から、一度ヤンキーを切り離したら?
実際、一度も話しかけられたことはないんだし、
たとえ話しかけられても、“はい、わかりました”でおしまいでしょ。
その子たちがサキの人生に深く関係するとは、今の段階では思えない。まったくね。ママが出て行ってその子たちを説教して、ついでに仲良くなってあげたいよ。
いざとなれば、ママはいつでも命がけでサキを守るから。
ママの出番が来るまでは、
堂々と胸を張って、しゃんとしていなさい。
そういう子には、ヤンキーを寄せ付けない強いオーラが出るから、結局は自分で自分を守ることになるんだよ」
はい、朝っぱらから、めちゃくちゃ熱いです
その後、サキはちゃんと学校へ行きました。
ヤンキーのうちの一人が、サキの通り道で携帯をいじっていたのですが、
「サキは胸を張って通り過ぎたよ。
話しかけられなかったし」
「ほらね。
ママの言ったとおりでしょ?」
そんなこと言いながら、
(すごいっ!)
って思う私。
口で言うのは簡単だけど、実際、自信を持って胸を張って生きていくなんて、そんな簡単なことじゃないです。
私だって、そんなかっこよく生きてるわけじゃない。
「育てたように子は育つ」
そうやって育つ子を見ながら、慌てて追いかけているような私です。
ヤンキー騒ぎは、一応おさまったようです。
今は、朝早い時間から学校へ行くようにしています。
昨日サキは、小学校の支援学級に行って、小学生たちとカレーを作って食べてきました。
今日は、中学の支援学級でハロウィンパーティーで、コスプレデビューだそうです。
イベントクイーンのサキが、準備のほとんどを仕切ってやった、と担任の先生から聞きました。
山あり谷ありの毎日ですが、
今日も良い日でありますように
ひなたまさみ