言葉に心を/死者との対話
先日から、安定した日常を取り戻せていて、うれしい。現在の私に向かい合ってくれる、本や映画が私に安らぎをくれるのです。最近、歌詞の入っている音楽を聞くのが億劫だったけれど、内面が安定してくるとそうでもありません。 家庭でも会社でも、人との関わりを大切にしたいし、心のこもった言葉で話したいと思う。 芹沢光治良『死者との対話』を読了。第一次世界大戦において必然の死を迫られた人からの切実な問いについての対話。死を前に純粋な心で心底から切実に求めても、何も答えてくれないような「学問のありかた」を問うている。戦争を回避できるはずのさまざまな知識は誰のためのものでなければならないのだろう。 その後で、西田幾太郎門下の最優等生として知られた哲学者、三木 清『哲学ノート 抄』というのを読む。森有正の難解さとは全然違う難解さでもって心に響くのにとても時間がかかりそうだから途中でやめてしまった(^^;)。せっかく子供たちが早く寝て自分一人の時間だというのに、根気のない私である。 NHK教育テレビで「科学フォーラム滋賀」を見ました。2002年にノーベル化学賞を受賞した、田中耕一さん(島津製作所フェロー)の講演ははっきりとした口調だけれどもやわらかで、標準語ではないけれどとても聞き易く、また内容も理解しやすく(といっても理解できないけど)説明されていました。専門分野のためだけの研究ではなく、科学、生物、医療などの異分野との知識の融合が大切であるというようなことを発言されていて印象に残りました。