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2004年06月09日
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カテゴリ:巨木
巨木めぐりを始めたころの、1999年の夏。

当時、仕事が忙しかったため、夏休みは1日しか取れませんでした。
1日だとそんなに遠出はできないけれど、有効に過ごしたい。
そう思ったわたしは、ひとり八高線に乗って、
樹齢700年のタブノキを見に行くことにしました。

単線ローカルにのんびりゆられて最寄駅まで行き、
1日数本しかないバスで、タブノキがある山里へ着きました。

そこから、大雑把な地図を片手に山に登り始めました。
だんだん道が細くなっていき、緑が濃く暗くなっていくけれど、
目標のタブノキにはなかなかたどり着きません。
そんなにかからないはずなのに。
そのうちに、静かな山の中でひとり、ということが急に怖くなって、
あわてて今来た道を駆け下りました。

民家が見えるところまで戻ると、遠くの方に人影が見えました。
わたしはホッとして、村の人に道を聞こうと思い、
こちらまで来るのを待ちました。

近づいてみると、犬を連れた大学生っぽい男の子2人でした。
地図を見せると、この地図は分かるけれど、タブノキに心当たりはないとのこと。
2人は、夏休みで帰省している大学1年生だそうで、
ヒマなので一緒に探してくれる、ということになりました。

こうして、3人と1匹の珍道中が始まりました。
柴の雑種っぽい犬は、元気いっぱいに山道を駆け上っていきます。
2人は散歩中なのでビーサン姿の軽装です。
走りにくそうにあわてて犬を追いかけていきます。

そして、探し回ったあと、ついに目標のタブノキを見つけました。

それは、急な斜面に堂々と立っていました。
枝張りは東西に27メートル、南北25メートル。
そこだけ空気が違うような気がしました。

3人とも言葉もなく眺めていました。

しばらくして、2人のうちの1人が、
近くに住んでいたのに、こんな木があるって知らなかったよ、と言いました。

それから、また里まで戻りました。

バスの時間までまだ間があります。
小川で足を洗い、みんなでしばらく川遊びをしました。
犬も大喜びで飛び跳ねています。
すると、2人が近づいてきて、手を出してごらん、と言います。
手を差し出すと、わたしの手のひらの上に、沢ガニをのっけてくれました。

そして、もう、高校生の女の子が1人で山に登っちゃいけないよ、
それに、オレらだからよかったけど、知らない人についてっちゃダメだからね、
とお説教されちゃいました。

・・・高校生?
あの、確かに化粧も落ちちゃってるし、Tシャツにジーンズだけど、
君たちより○歳も上なんですけど・・・。

でも、訂正せずに素直には~い、と聞きました。

それから、バス停まで送ってもらいました。
別れ際、さっき撮った写真がほしいといって、2人が住所を書いてくれました。
でも、とうとう写真は送らないままになってしまいました。

彼らの中では、女子高生のままにしておきたかったのです。
思い出は美しく。







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最終更新日  2004年06月10日 13時02分25秒
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