カテゴリ:島・旅
八重山では、様々な種類のみるくさまを見かけます。
同じみるくさまと言っても、島や集落ごとに若干違うようです。 竹富島で 石垣島で 「みるく」は「弥勒」が沖縄方言に変化したものです。 弥勒は、釈迦入滅後56億7千万年後にこの世に出現し、 釈迦仏が救済しきれなかった衆生を救う来訪仏とされ、 弥勒信仰は、大乗仏教と共に中国経由日本にも伝わりました。 それが、元々沖縄にあった、海の彼方にあって神々が住むという楽土「ニライカナイ」信仰と結びつきました。 そしてみるくさまは、年に一度、楽土からみるく世をのせた神船に乗ってやってきて、 五穀豊穣をもたらす神と考えられるようになりました。 なお、波照間のパイパティローマ、与那国のはいどなんもニライカナイ信仰に類します。 ↓経緯はこちらに詳しい ミルク面とミロク信仰 パイパティローマ 楽園の島は何処だったのか? --- 「弥勒節」 大国ぬ弥勒 我が島にいもち 御掛き欲せみしょり 島ぬ主 サンサン グヤーサーサーサー 弥勒世やいもち 遊ばばん遊び 踊らばん踊り御免しでむぬ サンサン グヤーサーサーサー 弥勒世ぬしるし 十日越しぬ夜雨 掛きぐさいみしょり 御代ぬ記し サンサン グヤーサーサーサー 「やらよう節」 ヨウ ヤラヨウ 今日ぬ日ぬ さにしゃや ヤラヨウ ヤラヨウ 黄金日ぬ さにしゃや ヤラヨウ ヤラヨウ --- <大意> 「弥勒節」 大国の弥勒が我が島に参られました どうかゆっくりと御逗留ください 弥勒世がやってきて、遊ぶときは遊び、 踊るときは踊りましょう 御許しも出ましたから 弥勒世のしるしは 十日越しの恵みの夜降る雨 どうぞ御世のしるしを示してください 「やらよう節」 今日の日の嬉しさは 黄金の日の嬉しさです ※二揚げの曲です --- 竹富島種子取祭では、弥勒節の歌に促されて、 みるくさまが大勢のこどもたちを引き連れて現れます。 そしてシーザ(先輩=二才)4人によるシーザ踊りが奉納されて、 「やらよう節」で退場します。 みるくさまは、八重山では子だくさんのお母さんでもあるのです。 竹富島種子取祭で 携帯に着信すると目が光るんですよ・・・ <参考>「八重山古典民謡工工四 上巻」 「琉球列島島うた紀行 第二集 八重山諸島・宮古列島」仲宗根幸市編著 琉球新報カルチャーセンター発行 「竹富島文庫1 種子取祭」狩俣恵一著 NPO法人たきどぅん発行 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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