ひねもす日記

さてもさても。


少し前のことになるけど。

夜に、相方の携帯が鳴った。
取った相方の話し振りを聞いていて、「？」。

誰から？　なんか、話し方が…なんというか、認知症の舅や
小姑２への話し方みたいなんだけど、この２人から電話がかかるはず
ないし。


電話が終わって、「今の、誰から～？」と尋ねると、今はもう辞めた
会社の若い子とのこと。

なんか、しゃべり方が変だったけど、その人酔ってたの？　と聞くと違う。



どうやら、ボーダーな人だったらしく。

相方の仕事は車関係で、それが好きだとのことで入社してきたのだけど、
整備士の資格を取りたいので、講習に行かせて欲しいというのを断ったら
辞めてしまったらしい。

相方の職場では、若い子に積極的に資格を取らせてくれるし、そんな事は
珍しい。

なんで、取らせてあげなかったの？と聞くと

・まず入社して間もなかったこと。　まだ試用期間中だと説明したけど
　聞き入れなかった。

・そしてなにより、真面目で、好きだということは充分に認められるけども
　注意力が見ていて、とても危うかったこと。
　彼がもし、よしんば資格に受かったとしても、これは仕事を任せるわけには
　いかないと皆が思ったという。
（そんな彼が運転免許を持っているという、恐ろしい事実）


真面目なだけに、資格に向けては頑張れるだろうけども、それだから
大丈夫とは言えない。
なにより、普段あまり意識されていないことだけど、車の整備という
仕事は人の命を預かっている仕事だから、まあいいかと済まされるものじゃ
ない、というのが相方の考えで。


けども、本人に「君には無理だと思う」とは言えない。

で、とりあえず「まだ講習には行かせられない。適性をもっと見てから」と
話したところ、親ごさんも気を悪くされたとかで、辞めて行ったのね。

だけど、相方には懐いていたらしく、車のことで相談したいといって
電話してきたとのこと。







で、ここからはひねもすとの話。

「実際、グレーゾーンな人って多いと思うのね。　見てて、そんな
　感じやった？」

「うん。最初は話し方が気になっただけやったけども、運転とか見てたら
　すごい怖かったしなあ。
　ただ、ものすごい真面目やったし、それで採用したんやけど」

「けど、整備の子が欲しかったんやろ？　そうじゃなくてもええの？」

「真面目なことはええことや。　なによりも頑張ろうっていう気持ちも
　あったしなあ。
　そやし、そいつに合う仕事をこっちが見つけたらええねん。
　整備以外にも仕事はあるねんから。」

「でも、その子も、親ごさんも“アカン”って言われて、腹が立ったんかなあ」

「自分のこども見てたら、適性ってわかると思うねんけどなあ」

「うーん、、、けど、能力を低く見られてるって思たのかも。
　うちの子は真面目で、頑張るし、頑張ったらできるはずやのに！って」




「オレなあ、ＡやＢのこと、考えたわ。
　勉強ができても、資格が取れても、向き不向きっていうか、そういう
　仕事は出来ひん人は、出来ひんと思うねん。
　
　運転もな、出来たら良いと思う。　けど、とっさの判断や注意力が
　明らかに劣ると思うんやったら、もし免許が取れそうでも親が止めるべき
　ちゃうか？
　命に関わるようなことやしなあ」




なんというか。

まだまだ、考え方は動くと思う。　こどもの力を過小評価したくない。
けど、きちんと見て、考える。

“この子はこうだから”と諦める話じゃなくて、違う方法を一緒に
考えてやりたい。
相方はそういう事が出来る人やなあ、と改めて思った。





相方の職場を辞めた若い子は、たぶん親ごさんとその資格を目指して
まだ頑張っていくのだろうと思う。
それが間違ってるとは思えない。　もしかしたら、やっていけるかもしれない。
目標を変えずに、頑張っていく意味もあるだろうから。


でも、うちはもっとフレキシブルに生きたいなあって思う。

例えば、行きたい場所があって。
その場所に、自家用車でなくても行ける方法を探して。
それが無理やったら、いっそ行きたい場所を変えるくらいの。




ヘタレな親の考えですが。






どっとはらい～