ひねもす日記

さてもさても。


ようやく、録っておいた『樅の木は残った』を観る事が出来た。

言わずと知れた山本周五郎氏の名作のひとつ。

でもって、あの原田甲斐の役を田村正和さんが、となれば期待は
高まるわけで。



観ました。もちろん、泣きました。

もちろん泣いたんだけども、うーーーん、でもなあ・・・と。



原作は好きだし、キャスト陣も好き、となるとあとは脚本と演出のせい、かなあ。
とはいえ、素人が解ったような事は恐れ多くてあまり言えないけども。

でもなあ、なんである。



わたしの周りで今、これを熱く語り合える人がいないので（もりさわさんを
頼みにしたいところ・笑）ここで、グダグダと呟いとくけど。


誰にも言わず、伊達家存続のために自分の心を明かす事なく死んでゆくと
いうのはやっぱりこうしたドラマでみせるのは難しいなあと。

ドラマとしては盛り上げたい、説明したいというのはよく解るんだけども
それでは田村正和さんが抑えた演技でいることが、意味をなさないように
思えてしまう。
単に、カッコつけしてるみたいに見えてしまうんじゃないか。

でも、それは原作を読んでいない人に不親切かもしれない。
味方を作らず、敵にもそうと知られずただただ御家の存続を考えるという
設定自体今の世には理解しがたいものだしなあ。
けど、だからといって井上真央ちゃんと抱き合うシーンを何回も入れなくても、
と思うのねえ。
もっと保護者っぽい原田甲斐でいて欲しい、ってのはわたしの願望ですか
そうですか。
もちろん、田村正和さんにいやらしさはないんだけど、なんだかこう
恋愛感情めいたものを演出に挟みすぎかなあと思えるんだけどな。
ストイックに自分の幸福を願わずに、宇乃の幸福を願い、御家の存続を第一に
考えて行動した人をドラマでみせる時に、色を添えるならそりゃそういう
感じになるのかなあ。


あと。
最後の竜雷太さんとのシーンでね。
もうここ！っていうシーンなのね。
もうもう、ひねもすなんか泣かないようにタオルを歯でギィッと噛んで、
こらえるようなとこなのさ。

斬られて瀕死の原田甲斐が「私です。すべて私が…」って言うのだけども
老中久世大和守が「あいわかった！」ってね、、、
すんごくすんごく、もうガーーーッときてるわけさ！感情の波が！
でも、高まり過ぎてなんだか舞台を観てるみたいな。

むずかしいね、むずかしいね、自分で書いてても難しいー

いっそ舞台で観たかったとか思っちゃうくらい高まっていて。
うーん、うーん。。。
悪くないし、むしろ良いんだけど舞台好きだし。



デジタルテレビだからかなあー。（責任転嫁？）

泣けて、やっぱりいいなあ山本周五郎ーと満足はしたんだけど、なぜか
どっかでモヤッと。



ああー。
このモヤッとを誰かと分かち合いたいー。むーーー。

あ、あともうひとつ。

田村正和さま、好きなんですけど。

文句を言うつもりはないんですけど。

ただひとつだけ。

どうして、ひとりだけあのカツラ？

中ぞり月代で良いと思うんですけど。

男前はナニしても男前だと思うんだけどなーポリシーも嫌いじゃないけどー


なーんか、あのカツラは、ねえ？原田甲斐っぽくないーと思うんですけど。





どっとはらいー