笑っているのは今のうち。
[ロンドン 14日 ロイター] 14日序盤のロンドン株式市場で、英住宅金融大手のノーザン・ロック(NRK.L: 株価, 企業情報, レポート)が資金繰り問題に直面し、イングランド銀行(中央銀行)から金融支援を受けることになったことを受け、金融株が軒並み急落している。 0700GMT(日本時間午後4時)過ぎの時点で、ノーザン・ロックが18.6%急落しているのをはじめ、HBOS(HBOS.L: 株価, 企業情報, レポート)が2.5%安、アライアンス&レスター(AL.L: 株価, 企業情報, レポート)が3.5%安、バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)が2.1%安などとなっている。2007年 09月 14日 16:43 日本の銀行株は、連休前に相当作為的な上げを演じた。なにせ、ディトレーダーが売り浴びせするのを織り込んでいるせいもあるけれども、みずほフィナンシャルホールディングスなど、引け直前のわずか数分で644000円ぐらいから、一気に657000円まで暴騰した。不思議な動きが続く。いずれにせよ、非力で丸腰同然の日本の個人投資家が、ここしばらく海外のハゲタカファンドに翻弄されているという恒例の構図になりつつある。さて、このような事態がいつまで続くのだろうか。一方で、信じられない勢いで稼いでいる日本の個人投資家が存在しているように株式のスキルが、パソコンの使いこなしの力量に依存しているのも「格差社会」急拡大時代のシンボリックなエピソードとして、昔語りされることがあるのだろうか。これからの日本の経済はどちらに動いて行くのか、実のところ誰も分からないと言っていいのだろう。一流大学出身のエコノミストも、我々とさほど大差なさそうだ。ここは、超歴史主義者の妄想的な嗅覚だけを独白しておく。個人資産は、郵貯やら預貯金にたんまりと温存されているような神話があるけれども、現実には国民が引き出したならば即座に金融凍結したいほど、国のバックグラウンドで使い込みされている。個人に国債を買えとは、よく言ったもので、まともに国民の金融資産など残っているものやら、政府系が一番危ない組織だということは、社会保険庁の一事だけでも分かろうものだ。いまは、まだ郵貯に個人資産家が、預け入れしたままの資金も、次第に物価高騰、インフレが進んでくれば、「カチカチ山」となる。そもそも企業も、株式の持ち合いを解いて、急速に資産株は売り込んできている。この動きは、まもなくピークになるだろう。株式市場で、これまで主役だった生命保険だの、投資ファンドだの、外資だのといった、おなじみの面々が次第に、日本の個人資産の株式市場シフトの進展で、次第に包囲されるほどになるのではないだろうか。政府系が、民営化しますよと言われれば個人資産は、焦げつく可能性ありますよと言われているようなものだ。郵政民営化に賛成をしておいて、預貯金が焦げつくのは嫌だ、とは言っていられなくなる。ところが、時代はインフレだ。物価は上昇する。すでにガソリンは、一リットル140円もし始めている。まだまだ騰がるだろう。野菜も雑貨も、ジリジリ騰がっているが、ノートパソコンが安くなったので消費者物価の統計をごまかしているのだ。役人の計算する統計が、いかに怪しいかというものである。インフレになり、物価が高騰してゼロ金利同然で預貯金を残しておける日本人は、おめでたい。それも立派な生涯の姿だと思うが、大方の人々は耐え切れずにリスクを承知で株式市場に流れてくるだろう。物価があがるのならば、製造メーカーの株式を買い、資産を手厚くしながら好業績企業の配当を楽しみにするしかないではないか。時折、売り買いした株式で年利7%程度の運用をするのは、素人でもさほど難しくはなくなっている。それをわざわざ銀行の高額な手数料を取られの、無償奉仕のようなゼロ金利に甘んじている人たちは次第次第に戦列に加わることだろう。しかし、こちらも先に到着して運用のスキルを持ち合わせている人達が優位となるに違いない。もはや、歯止めが利かなくなるのは必定という気もする。そのうち、義務教育年限に金融商品の授業が登場するかもしれないのである。