なにが狙い?
いま、世間を大騒ぎさせているバーナンキFRB議長の「銀行倒産容認発言」だ。奴の発言を契機に、先週末からすでに東証で1000円幅もの規模で暴落。登場するとご期待の公的資金の市場投入劇もお怖れをなして姿を見せないというほどの愁嘆場と東京証券市場はなっている。すでに、後場12000円台に突入だ。今晩のニューヨーク市場次第では、12500円を割り込む可能性も濃厚。それはそれとして・・・ピンと来ない人のために、理解の手助けをいえば指数先物を一枚水曜日に売り指ししていると、月曜日に100万円越える規模の利益に化けているとうぐらいの凄さだ。競馬で万馬券を当てるのは大変だが、いまの暴落相場では毎日10万馬券が出ているような事態にある。無論大損をしている人達は、利益を出している陣営にこの規模で振込みしているというわけだ。この時期に、なぜバーナンキは黙っていればいいものをあえて市場に甚大な影響が及ぶと承知の上でこのような発言を行ったのだろう。これは、もう日本人もの皆自身の生涯賃金、報酬総額にかかわる大事なのだから、両の眼を凝らして読み解く必要がある。世の中には、自分の身辺で生じないことは、存在しないことのように語る人もいる。これを哲学では、「経験主義」というのだけれども、言葉を知らなくても経験主義という態度を採用している事になる。経験主義は、結構だが突然の破局に弱い。わたしが10戦10勝したところで、次の1敗であの世逝きだと常々言っているのは、それである。つまり、11戦目の敗北が読めないのが、経験主義者の「定め」なのである。100戦100勝であれば、さらに悲惨だ。負けることを、一切想定していないのだから。He said the banks at risk were “small and in many cases de novo [new] banks that are heavily invested in real estate in localities where prices have fallen”.But he said: “I do not anticipate any serious problems” at any of the big banks, which played the most important role in the US financial system.By Krishna Guha in Washington Published: February 28 2008 22:23 | Last updated: February 28 2008 22:23実は、これから数年間で起きる資本社会での激震は一見穏やかに推移していてさえも、戦後秩序そのものを問うレベルの経済現象が起きるのであるから、下手なアナリストにも読むことができない変化を生じるはずなのである。自分は、20代でニクソンショックを通過している。あれは厳しかった。ドル兌換紙幣が、一気に紙切れになるという「命がけのジャンプ」を経験したのだ。公共施設の天井の電灯が、一斉に消えてゆくような経験を現実に、70年代に知った。バーナンキは、ただ単に銀行が破綻取り潰しも致し方がないと述べただけなのだが彼は何故この時期にわざわざこのような発言を行わねばならなかったのかという謎を残している。馬鹿でなければ、株価暴落、為替ドル暴落・・・間違いなく読めている立場。たんなる失言のはずが無い。ブッシュ政権と折り合いつけての発言だと思う。何かを狙っている筈。