偶然さは準備され「演出」されている
[デトロイト 13日 ロイター] 13日午前の米株式市場で自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)が一時17%安となった。米財務省が同社に破産法適用申請に向けた準備を6月1日までに進めるよう指示したとの12日付ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の報道が背景。 NYTは、GMの計画について説明を受けた関係筋の話として、GMが約280億ドルの債務交換で債券保有者と合意できなかった場合や全米自動車労組(UAW)との合意に達しなかった場合に、破産法適用申請の用意が整っていることを確実にするのが準備の目的と伝えた。 JPモルガンのアナリスト、ヒマンシュ・パテル氏は、財務省がGMに求めるバランスシートの大幅再編は債券保有者やUAWにとって受け入れ難く、破産法適用の申請の可能性が強まっていると述べた。予想どうり、株価はふたたび暴落の気配を示している。実は、すでに金融銘柄の格付けで異動が先週以前にあった。はじめるのだな、と気づいた向きも多かったようだ。3月の株価高騰は、やはり上に向けて放り上げたようなものだったのだろう。偶然は準備なしに始まらないということなのかもしれない。