カテゴリ:たわ言
いつもと違う明るさに 違和感を覚えながら目覚めると、 窓の外には 雪が積もっていた。 三月だというのに いきなりまとまった 前日からの積雪。
違和感のあった眩しさは 窓の外から降り注がれた 雪の反射光。
空は鉛色に染まる北国の冬が 思いのほか暗くないのは この雪の反射光のためなんだろう。
何日かぶりに 目覚めの涙。
ベッドの上で ただただ、 呆けている私になる。
今年は雪が極端に少なかった。 世間では 色々弊害があったようで 結構騒がれていたが、 私の内心は そんな騒ぎはどこ吹く風、 相当にホッとしていた。
私は一年前から雪が嫌いになった。
雪の光景が嫌いになった。
『雪は真っ白で』
『全部を綺麗に覆ってくれるから』
『好き』
と あなたと話してた頃が 遠い昔に見た 夢のように思える。
今の私にとって、 この白さは 悲しみの象徴でしかない。
覆い隠すどころか、 私の中の 脆い深部を、 えぐられ 掻き出されているような 気分になる。
残酷な白さだ、と思った。
窓の外の季節はずれの雪たちは、
相当に眩しく、
私の目には痛かった。
その眩しさが 目に痛すぎて
涙の止めようが なかった。
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