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美味しいかどうかということ。
「幻の××」と聞きます。 でも、これは本当にそうなのでしょうか。 幻の「××の寒梅」と言うお酒や「××蔵」という焼酎を飲みました。 味覚はそれぞれでしょうが、私自身は評判ほどの魅力を感じることはできませんでした。 もちろん、お米も感じ方はそれぞれでしょう。 「味に自信があるのか?」と問われれば、もちろん有りです。 数年前から一般消費者向けに販売するようになり、買ってくださった方からの反応でそれを知りました。 子供の頃から食べ慣れているお米。 それが美味しいのかどうか、第三者のお話を聞いてみて「そうだったのか」と気がついた次第です。 「お米が光ってます」とか「冷めても美味しい」という感想を頂いて、改めて自分の作っているお米を見直したのでした。 一昨年、某所の田圃で田植えから稲刈りまでお手伝いする機会がありました。 そこは、ここ中山間地域とは異なり、都会にある平地の広い田圃でした。 同じように植え付けても、こことは比較にならない豊作です。 穂の長さ、粒の数、株の太さ、まったく比較になりません。驚くばかりでした。 でも、いかにも栄養を含んだ都会の「どぶ臭い」水で栽培する米が、美味しいとは思えませんでした。 お米一粒を大事にする、山間地域の米作りとは異なると感じました。 お米の味には自信を持っています。 しかし、グルメよろしく味を評論するまえに思うのです。 条件不利な中山間地域で、ご先祖の田圃を守りたいという一念のみで、年金を取り崩してまで頑張っている高齢の百姓が作った米を、「うまい」とか「まずい」とか、いかにも「消費者は神様です」と言わんばかりの評価は、消費者の不遜以外のものではないと思うのです。 古米は悪米という先入観。 穀象虫が発生した米が、あたかも「事故米」であるかのような認識。 ほんとうにそうなのでしょうか。 虫の付かない外国産の農産物、安くて見た目の良いものを食すことを選択するのもいいでしょう。 24時間オートメーションで生産される工業製品と、天候や自然の影響を受けやすく年に1度しか収穫することのできない農産物を、同じ競争原理の俎上で扱うことの不条理を感じつつ、日々農業に携わっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/09/10 08:42:31 PM
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