台風4号の余波で散々な北アルプス縦走
お盆は、北アルプスは裏銀座を縦走したのだが、台風4号の余波でひどいめにあった。台風4号が急遽日本海を北上して、秋田県に上陸したのは、12日木曜のこと。これは事前にわかっていたから、縦走計画は1日延期だった。宮城の我が家を出発が12日(木)の夜7時。七倉ダム着が13(金)の朝6時半。この初日はまだよかったのだ。コースタイム6時間のところをなんと3時間半で、烏帽子小屋到着。日本の三大急登というブナ尾根は、前評判だけで調子よく裏銀座尾根に到着。しかも、尾根到着の折は、立山連峰から剣山、後立山連峰の針の木岳まできれいに見えていた。予定は烏帽子にテント泊だったが、到着が昼前だったので、野口五郎小屋まで足を伸ばすことにした。野口五郎小屋に到着した直後から「不運」の連続に見舞われた。まず、地図にはテント幕営地の印になっているのに、小屋にはテントは禁止となっている。小屋の管理人によると、強風でテントが吹き飛ばされることがあり、7年前から禁止になったとか。冗談じゃない。何のために重い思いをして担いできたのか。と文句を言いたいが、禁止というのに敢えて幕営するわけにもいかない。観念して6千円も!はらって小屋泊まりとなった。「不運」の連続はその夜の天候に続いた。夜半から雨が降り出して、降り止まない。翌朝、同じテント禁止を知らなかった登山客と世間話をしながら、出発の機会をうかがうが、風も雨も収まる気配がない。10時頃まで停滞していたが、折角宮城県からはるばるやってきた甲斐がない。エイヤと、ともかくも次の幕営地、雲ノ平をめざして出発した。野口五郎から、水晶小屋ー雲ノ平は、切り立った尾根の通過地点で、強風の中は緊張が強いられる。こうなったら、翌日の好天に賭けて、難業苦行と割り切った。何とか雲ノ平に到着したのは14(土)の夕方。新築の雲ノ平小屋を横目に、テントを設営。晴れていれば最高のロケーションなのだろうけれど、視界が利かないので周辺がわからない。そしてその夜。風雨はさらに激しくなり、雷鳴まで轟きだした。こっちは疲労もあるので、滝のような雨がテントを叩きつける中、眠りに落ちた。翌朝。風雨は収まったものの、霧の中を鷲羽岳ー水晶岳に向かう。百名山の一つでもあるし、北アルプスのなかでも山深いので、めったに足を運べる場所ではない。頂上の記念写真だけを撮って、下山路につく。湯股尾根の下山路でやっと晴れ間が覗いたものの、疲労も極致で、駆け下りるように温泉地の湯股へ下山。湯股は、テントサイトの隣の河原に露天温泉の沸く、最高のロケーションだった。今回の唯一の収穫は、この露天風呂三昧。なにせ、そこから徒歩で3時間プラスタクシーで2千かけないと、車道にたどり着かないので、人気もまばら。小屋の登山客も台風の余波で、先に下山したらしく数人しかいなかった。というわけで、今回の北アルプス縦走は、散々な結果に終わったのでした!