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カテゴリ:70's
1970年代の半ば過ぎ、打上花火のように一瞬の煌きを放ったロンドン・パンク・ムーヴメントの中にあって、未だにしぶとく生き続ける Straglers の記念すべき 1st アルバムにして、(4th アルバム "The Raven" 以降の耽美的な作風に対する是非はともかく)初期の暴力的なイメージを決定付けた重要作。 所謂「パンク」と言う概念とは相容れなさそうな、メンバー全員が奇妙なメイクを施した隠微なスリーヴ、良きにつけ悪しきにつけ Doors と比較されることになる全編で大胆にフィーチャーされたオルガン、更にそのオルガンをも圧する迫力で全体を支配する「リード・ベース」とまで評されたぶっといベース。ギターの Hugh Cornwell は大学で博士号を取得していただの、ドラマーの Jet Black に至ってはデビュー当時既に 30 代後半で起業家であった等々。「パンク」としては異色、異質。と言うより、「パンク」として語ってはいけなかったのかもしれません。 一語一語を対象に叩き付けるように言葉を吐き出す、初期の代表作 "Sometimes" や "Hanging Around" 、気怠い雰囲気の Stranglers 流ブルース・ナンバー "Princess Of The Streets"、サックスをフィーチャーしシングルとしてもヒットした "(Get A) Grip (On Yourself)"、プログレ的な展開の中で「荒廃した世界で生き残る手段はラットと交わることだ」と歌われる "Down In The Sewer"。厚化粧の Sex Pistols "Never Mind The Bollocks" とも、勿論デモ・テープかと勘違いするほどにペラペラだった The Clash のデビュー作とも違う特異な音。攻撃的なありながらポップ、どこかしら捻くれたユーモア感覚も。 余計なお節介は承知の上で、ベースやオルガンに比べて語られることが余りないような印象がある Hugh Cornwell のギターも、Stranglers の音を構成する重要で不可欠なピースです。 【Track Listings】 01. Sometimes 02. Goodbye Toulouse 03. London Lady 04. Princess Of The Streets 05. Hanging Around 06. Peaches 07. (Get A) Grip (On Yourself) 08. Ugly 09. Down In The Sewer : (a)Falling ~ (b)Down In The Sewer ~ (c)Trying To Get Out Again ~ (d)Rats Rally お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.05.12 12:31:39
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