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　町内の防災訓練が公園で行われた。消火器を使っての初期消火の練習や、炎の上がる天ぷら鍋の火を実際に消してみるというのを体験することができた。けれどもこれらはほんの初期にできることで、実際に炎が天井まで上がっていたら、119番通報してすぐ避難するというのが、消防士さんからのお話だった。

　その他に、煙体験ハウスというのが組み立てられ、半透明のビニールハウスの中に、何枚か壁が作ってあり、ビニールハウスには無害の煙が充満している状態にしてある。その中に入り、視界がゼロに近い状態で、手探りで出口を探すというもの。

　えりちょもハンカチを口に当て、３年生の女の子と入ってなんとか出て来る事が出来た。その次に私も入ってみたが、無害の煙はココナツミルクのような香りがして煙たくはないが、前が真っ白で何も見えない。ひたすら手探りで壁伝いに歩くが、どっちへどう行っていいのがわからなくなってくる。けれどもハウスはそれほど大きくもないのでようやく出られた。

　実際にこれが自分の家だったらどうなるか？１階ならば、南側は大きな掃き出し窓なので、すぐに外に出られるけれど、２階だったらどうか？　また、家ではなくビルやデパートの中だったらと思うと怖くなって来る。

　煙はココナツミルクの香りなので、後で入った年配の男性が、
「腹いっぱいになっちゃったよ。」
と、言いながら出て来た時には、周りがどっと笑った。

　えりちょは、
「もう一回入ってもいい？」
と聞いて、今度はひとつ年下の女の子と入って行ったが、あまり時間がかからずに出て来た。子どもはこういうのに慣れるのが早い。でも遊園地のアトラクションじゃないんだけど。