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　えりちょのクラスでは帰りの会の時に、何か良い事をした人を皆の前で公表する「ピカイチ賞」というのがあるらしい。えりちょは毎日のように、
「私が給食のゼリーを運んでいて落としちゃった時に、○○さんが拾ってくれた。」
などと、手を上げて発表しているらしい。

　えりちょは毎日のように誰かの良い行いを言っていても、自分は「ピカイチ賞」になったことがない、つまり、誰かに誉められたことがないのを、ポツンとある時寂しそうに言っていた。
「一回くらい言ってくれても良さそうなのに。」
と。
「人に誉められなくても親切にできるのは立派なことだよ。神様がちゃんと見ているよ。」
と、慰めたのだが。

　今日もいつものように、「ピカイチ賞」に誰かの事を報告するえりちょ。すると先生が、
「えりちょさんは、人のいいところをいつも見つけているね。そういう人は心が光っているんだよ。」
と褒めて下さったらしい。
　家に帰ってから、
「今日ね、いいことがあったんだ。」
と嬉しそうに、そのことを教えてくれた。先生だってちゃんと見ていてくれているじゃない。