愛車の思い出 (4) アルファロメオ 33sportwagon1.7QV
155に乗って1年ほど経った頃だった。今、愛車になっている2000を買おうと、ロメオ屋さんの自宅兼ガレージ兼店舗(工場は別の離れた所にある)へ書類を貰いに行った。と、そこに保管されていたのが、 「アルファロメオ 33sportwagon1.7QV」89年国内登録。僕はそれまでアルファ水平対向の音を一度も聴いたことが無かった。ロメオ屋さんが、音聴いてみる?というので、せっかくだからとエンジンをかけた。なに、この音?しかも、超絶レスポンスエンジン。まあ、それだけだったら買わなかったと思う。ロメオ屋さんがね、これに乗れたら、どんなアルファでも乗れるよなんて言うもんだから、それなら、この33を乗りこなしてみたい、それに2000より難しいわけが無いと思った。よし、こいつでキャブとアルファMTの練習しようじゃないかと考えたの。33を乗りこなせなくて、2000を乗りこなせるなんてとても思えなかったから。書類は2000用だったはずが、33用に早変わりして、1ヶ月ほどしてアルファロメオ・デーの前日、それも夕方に納車された。その頃はすでに一日目のゲームラリー担当クラブのクラブ員になっていた。アルファロメオ・デーのお手伝いをしていたので、まさか下手くそな運転をするわけにいかないし、アルファに乗るなら、ガリンッなんてギア鳴りさせるのはかっこ悪い。これは、意地ですねぇ。他のことでは格好つけようなんて、これっぽちも思わないけど、アルファ好きアルファ乗りがアルファに乗ったら、車に負けてはいけないと思うのですよ。で、その年のアルファロメオ・デーは、五感を全開にして特に右手の感覚と足の動きに集中するので精一杯でした。水平対向の乗り味も絶対一度は楽しんでみるべきだと思います。摩訶不思議な、頭がぐんぐん引っ張られるように曲がっていくハンドリング。フロントオーバーハングに低く搭載されたエンジンのお陰なのでしょう。限界を超えちゃうと、そこはFFですから、どうしようもないのですけどね。それに、キャスター角が寝かされている分、足のストロークがかなりあるんですよ。とても懐深い足です。ロールは深いけど、ぐぐーっと吸収しちゃって怖くない。座面がとても低いことも関係しているのかな?同じFFの155とは乗り味が全く違う。うそだと思った人!絶対乗ってみてください。ウソじゃないです。ほんとに違う。33で気になったのは、極端に低速トルクが無いこと。慣れていないと、平地でも上手くつなげなきゃエンストしかねない。上り坂の渋滞なんてはまったら、地獄なんてもんじゃないです。紅葉の頃の紅葉坂には絶対行ってはいけませんね。後期型のインジェクションはどうなのかわかりませんが。キャブの水平対向は、坂道発進が大嫌いな車です。エンスト怖さに半クラッチを使いすぎる人では、クラッチが2万キロもたないそうですからねぇ。それから、ABCペダルの配置の悪さ。わざわざ、33を運転するための靴を買いました。真中に寄り過ぎている上に、ペダルの間も狭い。ブレーキとアクセル同時に踏んじゃう。クラッチだと思ってフットレストを踏みつけちゃうとか。1.7のMTは1速で4000回転位まで一気にひっぱってから2速に入れると、まるで呼び込まれるかのようにスーッとギアが入ります。それ以下では、ちょっと嫌がる感じがしましたねぇ。これは、人や個体ごとに違うのだろうから、僕の33の場合ということなんだけど。そして、水平対向の吹け上がりの鋭さといったら!たまに別の車に乗るとトロくて......。エンジンの構造上、そういうものとはいうけど、それだけじゃないアルファの味がありましたよ!長々と書いてしまったけれど、33も本当に楽しい車だったんです。でも、やっぱり欲しかったのは2000でした。33に乗って半年ほどしたとき、ついに決心。2000に乗りたい!でも、33で冬も楽しんでおきたいので春まで待って......。決心から結局半年以上してついに2000がやってきたーっ!