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場末の映画番長

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2006年12月13日
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フィリップ・ノワレ氏が11月23日に亡くなっていたというニュースを僕は、
ミンスク国際映画祭から帰国した後の12月1日に知った。

奇しくもそれは「映画の日」、もうひとつのニューシネマパラダイスと呼ばれた「明日を夢見て」が、
映画生誕100周年を記念して銀座で100円で公開された日だ。

いつか会いたい、
いつか一緒に仕事をしたいという夢は途絶えてしまった。
もう映画の中でしか、会えない。

『どんなことをしようとも、自分のすることを愛するんだ。
 おまえが小さい頃、映写室を愛したように…。』

これは映画「ニューシネマパラダイス」のアルフレードの言葉だ。
イタリア、シチリア島からローマへ出て行くトトに、アルフレードは語りかける。
その言葉はまるで、自分自身に語りかけるように、
息子に何かを託すかのように、
力強く、そして愛にあふれている。

そして、更に彼は言う。
「二度と帰ってくるな、電話も手紙もするな。おまえが帰ってきても俺は会わない。
 何があってもおまえのやりたいことをやりとおせ。」

時々、僕はこの言葉を思い出す。
多少、セリフに間違いはあるかもしれないが、忘れられない言葉だ。

結局、トトもアルフレードもその後アルフレードが死ぬまで一切連絡をとらなかった。
本当は会いたかっただろうに…、ほんとに映画みたいだなと、僕はバカみたく思った。


フランス映画の最高賞であるセザール賞の主演男優賞を2度にわたって受賞した
フランス映画界の名俳優、亡くなったフィリップ・ノワレ氏は76歳だった。
役者人生約50年の大ベテランで、1988年の「ニュー・シネマ・パラダイス」では、映写技師のアルフレード役を演じた。
「イル・ポスティーノ」では、詩人パブロ役を演じるなど、心温まる演技で人気を集めた。
フランスのシラク大統領は声明で「偉人が去った。舞台、映画界において、我々を魅了した一流の俳優だった」と、その死を惜しんだという。

初公開年月は1989年12月6日東京・シネスイッチ銀座。
史上空前の40週間に及ぶロングランをはたし、200数席のたった1館のみの公開で27万人以上を動員。
興行成績3億7000万円を記録。これは17年たった今でも単館興行成績no1であり、
おそらく今後も破られることのない奇跡の上映だったといわれる。
(1995年12月にリバイバル上映)

年内にもう一度「ニューシネマパラダイス」をみたいと思う。
出来れば映画館でみたいが、無理なら、事務所でスクリーンに映して観たいと思う。

この映画の監督トルナトーレ氏、音楽のモリコーネ氏にも、
早く会わなきゃなと思う。

会いたい人に会うことって幸せだから。
会えなくなってからでは、遅いんだ。

何度でもいうが、いつかニューシネマパラダイスみたいな映画を創りたいと今でも思っている。
そう強く思っている。一生に一本でいい。

僕はやる。





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最終更新日  2006年12月13日 16時35分34秒
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