レストレスレッグス症候群とパーキンソン病
自分自身の覚書の目的で、サマリーを記録しておきます。 ■対 象:パーキンソン病患者165例、パーキンソン病でない対照者131例 ■方 法:国際RLS研究グループの診断基準(4つの必須診断基準)によりRLSを診断し、PSQIにより睡眠障害について評価した。 Nomura T, et al.: Mov Disord. 21; 380-384, 2006 · パーキンソン病患者の約10~20%前後にRLSが存在していました。 ( ):vs. 対照群 · パーキンソン病とRLSの併存例では、パーキンソン病発症後にRLSを生じることが多く6)、日本人でのパーキンソン病とRLSの併存例の約8割が、パーキンソン病発症5年以内にRLSを認めました7)。 · RLSを有するパーキンソン病患者では、RLSを伴わないパーキンソン病患者およびパーキンソン病でない対照者と比べて、PSQI※2 スコアが有意に高く、RLSがパーキンソン病患者の睡眠障害をより悪化させました3)。 1) Ondo WG, et al.: Arch Neurol. 59; 421-424, 2002 2) Krishnan PR, et al.: Mov Disord. 18; 181-185, 2003 3) Nomura T, et al.: Mov Disord. 21; 380-384, 2006 4) Gómez-Esteban JC, et al.: Mov Disord. 22; 1912-1916, 2007 5) Lee JE, et al.: Mov Disord. 24; 579-582, 2009 6) Peralta CM, et al.: Mov Disord. 24; 2076-2080, 2009 7) Nomura T, et al.: J Neurol Sci. 250; 39-44, 2006 ※1 レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome:RLS) ※2 ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index:PSQI);睡眠とその質を評価する質問票で、合計スコアが高いほど睡眠が障害されている。 コメント:多くのパーキンソン病の患者さんが、睡眠障害を合併しているのは事実です。その10-20%にRLSが合併している可能性が示唆されました。パーキンソン病の治療に、ドパミンアゴニストを大量使用している患者さんでは、RLSが合併している場合は、治療は、少量のドパミンアゴニストでは効果は期待できないかもしれません。そんな場合は、どのように睡眠障害を治療すべきなのでしょう。