カテゴリ:歴史を語る
我が家には日本風の門があります。
父の時代までは早朝、夕飯には門開け、門閉めが毎日の日課でした 門は垣根、塀と連動して防犯上必要とされてきました。 田舎に出かけると立派なお屋敷を取り囲むようにしっくい塀と門、典型的な日本建築の原点の風景で気持ちの良いものですね 我が家にも一応この門が在りますが子供の頃には門口の外、中でかくれんぼなどした思い出があります 風雪100数年・・・・補修もしましたが所詮、老朽に耐えられなくなってしまいました 屋根地が痛むやら瓦が割れたり、破風板が腐るやら、大雪が積もると倒壊しそうで何度か雪掻きの思い出も・・・ ところが車全盛時になってくると邪魔になってきました、軽トラも車幅が大きくなりギリギリなのです。 注意して入出するのですが夜、降雪時となると柱に擦って傷がついたり、また天上は2mしかなく荷物が入らない状態でほとほと困っています 何本もアマチュア無線のアンテナを折ってしまいました たまらないので近年は別の通用路を作って車では我が家には出入りしています
ところがこの門、なにか気が付きませんか・・・・・? 扉ではありません 左右にある出っ張った屋根に注目して下さい。これが”うだつ”です 私はこの年までそんなものが在るとは知りつつもなんの感慨も持ちませんでした 戦前(明治時代からあった)建物らしいので土台、塀のつっかい棒も腐り処分して今風のブロック塀を考えています。 ところが記憶のよい女房がいうのには、数十年前のことです。 父が(女房の父)「お前ところの門はうだつが上がった価値のある門だから大事にせよー」という事を思い出して私に話しかけました。 ”うだつ”今でも使いますね。 「あいつはいつまで経ってもうだつが上がらぬ奴だ・・・」とかでいい意味にはとりません。 うだつが上がるというのは先祖が分限者だったのか?・・・・と ウィキペディア氏のお助けを願うことにしました。 <うだつ>ウキペディアより うだつは、日本家屋の屋根に取り付けられる小柱、防火壁、装飾。本来は梲と書き、室町以降は卯建・宇立などの字が当てられた。 平安時代は「うだち」といったが、室町時代以降「うだつ」と訛った。本来は梁(うつばり)の上に立てる小さい柱のことをいった。 そののち、切妻屋根の隣家との間についた小さい防火壁で1階屋根と2階屋根の間に張り出すように設けられているものも「うだつ」と呼ぶようになる。本来、町屋が隣り合い連続して建てられている場合に隣家からの火事が燃え移るのを防ぐための防火壁として造られたものだが、江戸時代中期頃になると装飾的な意味に重きが置かれるようになる。 自己の財力を誇示するための手段として、上方を中心に商家の屋根上には競って立派なうだつが上げられた。 うだつを上げるためにはそれなりの出費が必要だったことから、これが上がっている家は比較的裕福な家に限られていた。 これが「生活や地位が向上しない」「状態が今ひとつ良くない」「見栄えがしない」という意味の慣用句「うだつが上がらない」の語源のひとつと考えられている。 <役瓦>も壊れてしまいました 接着剤で補修しています 女房が里行きして父に話したら「そんな事、俺云ったのか?まあ、大分壊れているから仕方がないなあ」だなんて・・・・90才の舅も大分ボケが廻ってきたらしい(笑) 私の父は2年前亡くなりましたが自慢話に聞いた記憶もありません 私は存在は知ってはいてもこれがうだつとは恥ずかしながら識らなかったのです 亡父は書画骨董品好きでしたからきっと知識はあったと思いますがね・・・ 「お前も、このうだつの上るような人になれよ」と叱咤してくれていたならも少しマシな人間になっていたかも知れません(笑) 迂闊でした、ひたすら自省の念に耽る今津三十八でありました 遅かりし由良の助とはこの事かと 壊す時は赤飯、御神酒でうだつさまを下ろしたいと思っています それでは、全国のご立派な「うだつ」をご覧ください、気分がいいですね <袖うだつ>WEBより どうぞ、ご覧の皆さまもうだつの上がる人生を送って下さいませ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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