大山夏山開き
6月第一土日曜日は「大山の夏山開き祭」である。自慢ではないが「灯台下暗し」のため近年は行ってみた事がない。土曜日は前夜祭、恒例のたいまつ行列は一般参加の行進で大神山神社出発して1.5km先の博労座を目指してゆっくりと行進する。明けて日曜は山頂祭、博労座では11.30より「大山癒しの森賛歌」と題した演奏会が行われ竪琴奏者・木村 弓さんが来るというので急遽「行くべえ!」となった。父親が小中学校時代を米子で過ごしたという。木村さんは幼い頃この父親から大山登山等の話を度々聴きながらいずれこの大山に来たいと思っていたらしいがこの度やっと「夢がかなった」という。竪琴の癒しの音色に載せて宮崎 駿のアニメ「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」「ハウルの動く城」の挿入歌「大山賛歌」「羽生の宿」・・・映画「ビルマの竪琴」でも兵士が故郷を想い落涙して合唱していたあの場面が印象的だなどを次々に披露した。観衆からは「演歌」独特のやんや喝采はないけど雄大な大山の北壁を正面にして竪琴を演奏しながら歌う木村 弓さんの蚕の糸のような繊細なソプラノはすばらしい身体の芯までしみ込むようでこれがα波の癒しなのかも知れない。すっかり神々しい気分になった 観衆の中には涙して聞き惚れていた人もいたとか(アナウンサーの弁)古い話で恐縮だが志賀直哉の小説「暗夜航路」での終末に主人公「時任謙作」が大山登山中に夜明け前の光景を見て感動するシーンが鮮明に描かれているが、これに似た気分でもあった。「大山ミュージシャンリゾート構想」とは演奏活動の環境を整備し”音楽家の聖地”を目指して観光開発、地元産業の活性化を図ることだという。昭和全盛時代かってこれに類した「日光ふるさと村構想」が実践中であったがバブル崩壊によって、あえなく挫折! 今でもその荒廃した跡地をみると痛々しい。二度と前車の轍を踏まないように願いたいものだ。