アトピー 不登校
大阪の友人の息子を預かっています。31歳。小学校5年生から登校拒否、ひどいアトピー、家庭内暴力。18歳のとき、沖縄とつながる大阪のもう一人の友人の死をきっかけに、「沖縄に行きたい」と生まれて初めて自分の意思を親に伝えました。那覇空港から会社に訪ねてきた子は、ダテめがね。夏だというのに長袖。漢字はほとんど読めません。翌日仕事を休んで、2人でドライブ、ホテルへ一泊。一緒に風呂に入りました。体中深刻な吹き出物。背中を流してもらった後、タオルにシャンプーをつけ、背中を流してやりました。「おっちゃんありがとう。俺、汚いからもうええです」「馬鹿なこというんじゃない」。彼がぼろぼろ泣き出しました。「親にも、こんなことしてもらえなかった」というのです。「自動車の免許をとろう」と目標をつくりました。尻込みしましたが、認めません。毎晩仕事を帰ってきてから、漢字と応用問題の特訓。この子、単純な漢字は理解できました。木とか、春とか。「春に花が咲く木が椿」、こんな調子でみるみる漢字を覚えてくれました。あれから10数年。昨年暮れ、この子、ある国会議員の秘書に採用されました。1人としてだめな子はいない証。