ジェット気流に乗ると飛行機は早く飛べるというのを耳にするが
これは、少し違います。
「ジェット気流に乗る＝追い風」ということなのだが、
後ろから風が当たって押されるから速く飛べるということではない。

飛行機には制限速度があります。
車のような制限速度ではなく、
その速度を超えると衝撃波が発生したり、
飛行機の振動が大きくなったりして機体が疲労破壊を起こしたりするのです。

飛行機の速度は空気に対する速度です。
飛行機の速度は飛行機に当たる風の強さで決まります。（イメージ）
ある飛行機の制限速度は５とします。向かい風が１だとしたら
　→→→→　　　　　　→　　　＝４＋１＝５
地面に対する速度　向かい風　　空気に対する速度

→→→→→→　　　　　←　　　＝６－１＝５
地面に対する速度　　追風　　　空気に対する速度

空気に対する速度が同じでも、地面に対する速度が違います。
制限速度が５でおなじでも、
向かい風なら４でしか飛べませんが、
追い風なら６で飛ぶことができます。
つまり追い風のほうが飛行機は早く飛べます。

だから、ジェット気流に「乗る」というのは少し違うのです。