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アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

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2008.05.18
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 昨日、第61回アントレプレナー塾を銀座で行った。

  今回のゲストスピーカーは料理人柿沢一氏である。

  柿沢先生は、銀座の割鶴寿の長男として生まれ、大阪の鶴屋で修行し、

  最年少でワシントンの日本大使館の総料理長になったプロフェッショナルである。

 

   日本伊に戻って家を継ぐかどうか迷った。銀座の実家は父が料理人、

     母が女将で店を切り盛りしていた。母が脳梗塞で倒れた。夫婦で継ぐかどうか・・。

     働きづめでお店を繁盛させるか、あるいは食の楽しさを他の方法で伝える

     ことはできないか。結局、父は母の看病でお店をたたむことになった。

 

   女房が不動産を持っていたので、そこを教室に改造し、そこで食の楽しさを

     伝える決心をする。

  空いている時間は貸し教室をやろう。しかし妻は言った。「あなたは料理人でしょう。    

  それ以外でお金を儲けても意味がないわ」これは利いた。

  料理の楽しさや美味しさを伝えることに専念した。最初は妻の友達からはじめた。

    ケイコとマナブに募集高広告を出すも人は集まらない。結果的に人が集まったのは

    口コミであった。

  生徒が生徒さんを連れてきてくれた。そうこうするうちにテレビ出演も多くなった。

 

  ある人に腕を見込まれ深沢の藁葺き屋根の数寄屋造りの庵を自由に使ってくれ

   と頼まれた。

 一日一組のみ。しかも開業は月に二週間程度。究極のおもてなし料理屋「梅寿庵」

  を開業した。

 

 そんな柿沢氏は、人をもてなすとは、自分にとって感謝の連続だ。心が大切だ。

 自分に気が入らなければ、美味しい料理は作れない。

   料理とは「愛」だ と言う。

 そんな柿沢氏はいまでも料理教室を大事にしている。そこで生徒さんとの関係を大事に

  している。

ある生徒さんがいつも髪型が綺麗だった。奥さんから、あの方はかつらではと言われた。

 その生徒がぱったり来なくなった。なんと癌で入院していると人づてに聞く。柿沢氏は

  癌を食べ物で直せるのではと思い猛烈に癌と食事について勉強を始める。

  退院して再び通ってくれたので、料理教室で癌にいい料理も教える。しかし再び悪化。

  また退院を繰り返す。その年の暮れに癌に効く素材ばかりを使ったおせち料理を

  お重に詰めその生徒のお宅に届けてあげる。

 

 そのご、その人は帰らぬ人となった。家の人に聞くと、その料理が最後に食べた料理

  になったと。

 しかも本人は「私は幸せだ。 先生の作ったこんなに美味しい料理を食べられて、・・・」

 

 柿沢先生はここで言葉を詰まらせ、無言となった。

  やはり、料理とは愛である。

  愛は最高の調味料である。

 今日はこのへんで・・・

 






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Last updated  2008.05.19 22:57:16
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