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2008.12.13
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カテゴリ:B級グルメ

心友のF氏から突然メールがきた。

  近々なんとか一日空けられない?

 

  いきさつを話すと少々長くなる。

  とあるマーケティングの懇親会で、さる菓子業界の重鎮新商品開発者A氏と

  立ち話をしていたときである。

 

  「みつおかさんは、F氏をよく知っているのですって・・・・今度3人でディープな

   飲み会をしませんか?」

  「そうですね。やりましょう」

 

  この手の話はだいたいその場では盛り上がるが、それっきりになうことが多い。

 

  しかしである。さすが有能なマーケターA氏の行動は早かった。

  またそれを受けた家族ぐるみで懇意にしているF氏の乗りも早かった。

 

  かくして多忙を極める3人が、一年で最も予約のとりにくい12月12日の

  金曜日に新宿アルタ前で18時50分に会うことにあいなった。

 

  若者ばかりのなかでおじさん3人が集合。

  ディープなお店はA氏が手配している。

  なにしろ新宿はA氏の縄張りだ。

 

  どこに行くのだろうか? この人ごみ、はぐれないように必死についていく。

  なななんと、あの歌舞伎町のど真中に突き進む。

 

  お兄さんの呼び込みがうるさい。

  あちらこちらに風俗店がある。おお、こわーい。

  

  話はそれるが、私は都内の美味しいものスポットは少なからず押さえているが、

  新宿と池袋は例外である。

 

  ご幼少の頃から、新宿とぶくろは怖いとインプットされているから、

  足が向かないのである。

 

  それなのにああなんと、歌舞伎町の中心も中心、悪名高きホストクラブ

  「愛」に出てきてしまった。ぼったくられそうな店ばかりである。

 

  A氏は慣れた足取りでさらにレッドゾーンに進む。

  ネオンきらきらの怪しい店の脇の小さな路地に入る。

 

  ええ、まだこんなところが残っているの?

 

    どうみても戦前の飲み屋街だ。いや正確には九龍の迷路に迷い込んだ感じだ。

  大陸系と台湾系の飲み屋がぽつぽつと幅90センチの通路に出現する。

 

  突き当たりはトタン板の扉の開いた小さな木のトイレ。

  

  突き当りを曲がると赤に塗られた怪しげな鉄の非常階段。

 

  ここの二階です。

  ひょえー、どう見ても怪しい。新宿ゴールデン街の三倍怪しい。

 

  みつおかさん、ここの階段気をつけてくださいね。

  昔、事件が起こった所です。

  えぇ、事件って・・・・?

 

    知りませんでしたか?

    昔中国マフィアが喧嘩して、青龍刀でぶっ殺したあの現場・・・・・。

 

 

  全身がぶるった。

 

 

  手すりをもって慎重に登る。

 

  怪しげな扉を開けると、なんとそこはもう台湾。

  中国語が飛び交っている。

 

  従業員はすべて中国人。

  ママさんだけが片言の日本語を話す。

 

  昔はここは台湾マフィアの御用達のミセだったんですよ。

  だから十年以上前は拳銃が転がってましたよ・・・・

 

  どひゃー、どえらいディープな店である。

  以前は日本人はいなかったのですが、味は確かですから最近は

  日本人も多くなりましたよ。

 

  ここの火鍋は本場台湾マフィアも舌を巻くうまさだそうだ。

  今日は超ディープな夜になりそうだ。

 

  ここから世にも不思議な美味しい話が始まるのである。

 

  ああ、今宵も冬の夜は長い・・・・・・

 

 






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Last updated  2008.12.14 00:39:50
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