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テーマ:■今日のシアワセ■(578)
カテゴリ:隠れ家
私の隠れた趣味のひとつは焚き火である。 書類で何かと趣味を書かされる場合がある。
私はつとに迷う。焚き火と書くべきかどうか・・・・ また話の中で趣味を聞かれる時は、相手をよくよく観察してから言う。 ええ、私の趣味は火遊びです。いやいや正確には「焚き火です」と。
小さいときから庭で落ち葉を集めて燃やすのがこの上なく好きだった。 だからよく両親に叱られた。火は火事になるから気をつけなさいと。
一度、祖母とお芋を水で濡らした新聞紙にくるんで焚き火に放り込んだ。 置き火の中からおそるおそる取り出す。まわりの新聞紙は真っ黒に焼ける。 しかしその中からふっくらした焼き芋が現れた。その美味しいこと。
今でも忘れられない味である。
焚き火リストには三種類ある。 海派、山派、川派である。私は山派である。
焚き火リストにも作法がある。まずバーナーや着火剤などを使わない。 マッチと新聞紙だけで着火する。ただ達人ともなると新聞紙も使わない。
油紙の紙縒りなどを常に用意している。 焚き火の組方もそれぞれ流派がある。 焚き火の話をすると止まらないのでこの辺で本題に戻ろう。
一時、焚き火Barなる稀にして真の男の隠れ家Barなるものに嵌ったことがある。 これを探すのは難しかった。何しろインターネット検索などない時代だった。
ついに三軒見つけた。銀座、白金、代官山である。 今もやっているかどうかは分からない。 そのうち一番のお気に入りは代官山だであった。
代官山と言っても浦の裏。住宅街の坂の中腹に一軒ぽつんとある。 ちょと洒落たカフェ風である。
まずはカウンター席が6,7席。 左奥に隠れ家スペースがある。
秋から冬になるとなんと奥の角に薪式暖炉が登場するのである。
その前に三席だけの特別席がある。 ここをいつも陣取るのである。
ゆらゆらとゆれる炎。真っ赤な火。 もうこれをみているだけでひとりで何時間でも飽きないのである。 しかも顔見知りの私は、勝手に薪をくべて焚き火の醍醐味を味わう。
もうこのうえない癒しの世界である。
ここには常連客だけの隠しメニューがある。 チョコレートマシュマロである。 これを焚き火の前で注文すると、竹串に刺さったマシュマロが登場する。
これを焚き火にかざすのだ。 すると回りは溶け、熱々。中は柔らかくチョコレート味が口中に広がる。 最高の食感と、温度、風味である。これは病みつきになる秘められた味だ。
ああ、焚き火リストにとっての秋が待ち遠しい。
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