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カテゴリ:誌の創作
コンビニの小さな傘一つしかなくて
今度にしようよって僕が言うのに 昨日、自転車で行ったら近かったんだよ。すぐだよ。すぐ!って 言う君の言葉を信じて 駅二つ分先のドンキまで 歩いて行ったよね。 ぼとぼとに濡れながら でも アカルイ未来の夢を語り合いながら ホントはね、歩いていく事で 少しでも 長い時間、 少しでも たくさん話をしたかったの! って。 あれこれと 嬉しそうに選んでいる君の横顔が可愛くて・・・ どこだって同じなのに ここのお店は絶対においしいから!! 入りたいの!って 二人ずぶ濡れのまま 両手一杯の荷物抱えて 入ったかっぱ寿司 いつも君は ダイエットを理由に しゃりを半分しか食べなくて はいこれ食べて! って 僕に押しつけていたずらっぽく微笑む。 だってね まっすぐ帰れば荷物を下ろして すぐ帰っちゃうんでしょ? やだもん。って 涙をうかべた君が愛おしくて・・・ もう帰るよ。明日も頑張ってねっ て言う僕に 君は はいこれ!って 下駄箱の奥から 新しい男物の傘を差しだした。 買ってたの? だってね せっかくの雨だから 相合い傘したかったんだもん。 相合い傘じゃないと 横に並んで歩いてくれないんだもんって。 悪戯っぽく笑う君が大好きで・・・ 今夜も雨の中 あの家も あの店も 何も変わらないのに 君だけがそこに居ない景色・・・ いま、君は 君の夢に近づいていますか? 君の小さな頃からの夢が一日でも早く叶います様に あの雨の夜が 彼女の夢を叶えます様に お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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