お皿を洗っていていつも感じる事。

この排水口の向こうは海に繋がっていて

色んなお魚、可愛いイルカや鯨もウミガメも泳いでいて

きれいな貝や　目に見えない微生物まで

一杯居る。

そこに公共下水処理場で浄化処理されているとは言え

食べ物の残り汁や

洗剤の泡が流れ込んで・・・

海の生物が悲鳴を上げながら逃げまどう姿・・・

現実は更に厳しい

悲鳴すら上げる事を出来ずその環境に晒されていると言う事。。。

生活をする為とは言え

排水溝に流れていく洗浄液を見るたび

そう言う姿が目に浮かびます。

そこで　石けんが良いという話になるのかも知れませんが

それには僕は疑問があります。

僕は、和歌山市出身で、そこに某石けんメーカーの研究所や工場が

有った関係で同級生や先輩後輩に多くそこに勤めている人間が居ます。

そのウチの研究所に勤める人間の言葉が今でも忘れられないからです。

曰く

合成洗剤の発祥は、人口が増え自然石けんの生産が追いつかず

大量生産出来る代替え品として開発されたものなのです。

合成界面活性剤が有害だという事は解っていますが

実は、生分解性が優れており、石けんより５倍早く自然分解します。

石けんといえど油を化学物質を合成して作るものです。

石けんには石けんカスというものが必ず発生し、

合成洗剤より５倍長く環境に悪影響を与え続けます。

つまり、もし日本の全ての人が、洗濯、食器洗い、お風呂で石けんを使ってしまうと

自然の浄化能力をはるかに追い越し、日本の近海の生物は

死滅してしまう。と。

生分解性の早い合成洗剤だから、今まだこの環境が保たれて居るんだ。

問題なのは、

その使用量だ。

環境負荷が小さいと言われている石けんでも

気持ちよく泡立つ様に使っていると、汚れに対して必要以上に使っている事が多い。

本当は、合成洗剤を、

規定された希薄量で使う事

こそが環境貢献だよ。

って　言葉です。

僕は、科学者じゃないので、何が正解かは解らない。

合成洗剤を作って売る為のメーカーに勤めている人間の言葉だ。

でも、彼は研究者であり、メーカーの経営者でも営業でもない。

真剣に、合成洗剤で環境負荷が少なくなる事を願って研究している。

実は、台所用の液体洗浄剤は商品にも依りますが

５～１０倍程度に薄めて使うように規定されている。

皆さんは

台所でお皿を洗う時、液体洗浄剤の原液をスポンジに直接付けて

洗ってないだろうか？

殆どの方は使い方を間違っている。

僕が、学生時代アルバイトした居酒屋の洗い場のおばちゃんに

教えてもらった、正しい食器の洗い方は・・・

先ずは、食べ残しや皿にこびりついた汚れは

洗剤ではなく、廃棄する食材の切れ端や新聞などで

キレイにふき取るの。

規定量に薄めた洗浄剤溶液をスポンジに必要量含ませて

泡立て、それで食器を洗う。

それで充分キレイになる。

（規定量なんだけど）洗剤が薄いから

すすぎも早く、水も少なくて済む。

もちろん（手袋をしてたけど）手荒れも少ない。

魚や珊瑚、微生物が

悲鳴を上げる事も出来ず

抗議の陳情をする事も出来ないのなら

せめて、海に繋がっている排水口の前に立っている

私達一人一人が

自分なりの方法で　気遣いをするべきなんじゃないだろうか。

もちろん食物連鎖の長としての人間にもそれは　跳ね返ってくる事。

お皿を洗わない人も

頭や体は洗うし歯も磨く。

例えば、前述の某石けんメーカーの研究所員曰く

頭髪の汚れ成分は

洗髪する前にブラッシングをして髪に付着した汚れを落とし、

湯水で洗うだけでその９割近くが落とせるのだという事です。

そうする事で

いわゆるシャンプーの使用量は間違いなく半分に出来るとか。

実は

濃い洗浄成分を使って充分に洗い流せない事で

毛穴が詰まり、禿げる人も多いんだとか。　余談ですけど。

便利・快適の代償として私達が侵している自然

一人一人が出来る事

有るよね。って思う人は一杯居る。

でも

ちゃんと実行しなくちゃね。