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テーマ:お勧めの本(7402)
カテゴリ:★★★★★な本
令嬢と女性運転手が活躍する<ベッキーさん>シリーズ、完結!日本にいるはずのない婚約者が写真に映っていた。英子が解き明かしたからくりは--。そして昭和11年2月、物語は結末を迎える <感想> ★★★★★ 本書は北村薫さんのベッキーさんシリーズ三冊目の最終巻。 第141回直木賞受賞作です。 タイトル、時代背景。 そしてシリーズ二作目から出てくる青年 将校。 この作品(シリーズ)の着地点はおおかた予想がつい てしまいます。 その着地点に向けて、メインキャラクターの英子とベッキーさん。 脇を固める魅力的なキャラクター達をどのように動かしていくの か? そして、彼女たちが立ち回る舞台である昭和初期の風をどれだ け織り込んでいくかがキモになるわけですが、そのあたり北村薫 さんは実力をまざまざと見せつけてくれます。 作品中で出てくるいくつかのエピソードは実話を元にしているよ うで、丹念な取材もなされているようです。 インタビュー記事に よれば最後のエピソードも実話に基づいているそうです。 令嬢として、蝶よ花よと育てられた主人公英子のこれからを待ち 受けているのは戦争という闇。 そして敗戦。 太宰治の『斜陽』 を引き合いに出すまでもなく、彼女は時代が生み出した怒涛の 波に翻弄されていくことになります。 それを踏まえるとするなら、無邪気な英子とそれを見守るベッキ ーさんの物語は一段と輝きを増すように思えます。 シリーズ一作目からお読みになることを強くおススメします。
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最終更新日
2011.06.26 12:52:46
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