テーマ:マラソンに挑戦(5688)
カテゴリ:ジョギング・マラソン・ランニング
残り8キロ。とりあえずは後ろについたペースランナーの後ろを走ります。
ずっと並走していた人がいたのですが、力尽きたのか、姿が見えなくなりました。 後少しだから、一緒に走りましょう。まだ間に合いますよ。そんな言葉をかけたかったのですが、実際は余裕ありません。心で思うだけ。左足の小指も痛くなりました。皮がペロンと剥けた気がします。痛い。 後半は給水場の数が増えてくるように思えました。 黒糖、味噌(地元の名物だそうです)、梅干。 田中さんの自然醸造手作りみそ 0608超得 価格 800円 (税込840円) 送料別 「食べてってください」と声をかけてくれます。その度に口に入れました。体はボロボロと言いながら、食欲だけは旺盛でした。 並走するペースランナーに「もうダメです」と根をあげると、「何言ってるんですか、あと3キロですよ」と言われました。 あと3キロ。そうか。時計を見ると、4時間半すぎ。歩かなければ、間に合う。 40キロ地点、4時間38分。気持ちにギアが入りました。ペースアップ。とりあえず、20メートル先を行く前方のペースランナーに追いつこう。 抜くことはできないけど、気力で後ろに張りつく。雨は相変わらず降っている。 41キロ地点、4時間47分。風景は見慣れないけど、1.2キロ先にはゴールがあるんだ。 しかし、ここからが長い。最後は195メートルというおまけがついてくる。しかも、最後は坂道。しかし、体のアクセルをローに切り替えて加速する。 坂のてっぺん手前の42キロ地点で、前方のペースランナーとその一団を抜き去りました。 しかし、そこでまたアクシデント発生。何が落ちたのです。 道を見ると、ゼッケンの裏についていた計測チップです。雨に打たれて、抜け落ちたのです。拾い上げると、胸に掲げながら走りました。 ある人が言いました。 「マラソンの醍醐味は最後に抜くことにある」。 確かにそうかもしれない。 ここに来て、一種のランナーズハイとなり、神経が麻痺してきたようです。坂を上がりきると、息は絶え絶え。 しかし、「がんばれ!後少しだよ」との声援が聞こえてきました。 その声に大きく頷いて、トラックに入る。同じようにラストスパートをかけてきた小柄な女性の姿が見える。 彼女に負けたくないとは思わなかったけど、ゴール直前、その先を走っている3人を抜いてみたかった。 さらに加速し、直前で抜き去り、ゴールイン。 結果は4時間54分。 秘かに狙っていた4時間半はクリアできませんでしたが、去年の荒川のグロスタイムを55分短縮。ネットタイムでも45分は縮めることができました。 ランナーとしては、遅いもいいところですが、悪天候、故障の中、今ある力は出しきったつもり。 「ショーシャンクの空に」の主人公のように天を仰ぎ、雨を浴びたい、そんな気分でした。 記録証を受け取り、着替えると、空はすっかり晴れ。さっきまでの天気は何だったのか? しかし、それがマラソンって、ものだ。人生も同じ。晴れの日もあれば、雨の日も。そして、走っていれば、必ずゴールに辿り着く。 なんで走るのか、やっぱり、正しい意味は見付けられないけども、村上春樹がエッセイで書いていたように、自分の限界を知ってみたいということはあるかもしれない。 それは、なんだか底知れない恐ろしい欲望のような気がする。 まあ、理由なんかどうでもいいのかもしれない。走っているうちは。いつか理由を理路整然と言える日が来るだろう。いや来ないかも(笑)。 そんなことよりも、雨の中を好き好んで走った物好きな人々を、陰で支えてくれた大会スタッフには感謝してもしきれないのです。 大会スタッフのみなさんは、ランナーよりも、さらに物好きな人に違いない。雨の中のサポートは本当に大変だったと思います。僕は僕のエゴで走りましたが、スタッフのみなさんはもっと大きな心で支えてくださった。 ボランティアだったのか、お手当てが出ているのかは分かりませんが、数々の声援は無償の愛情だったと思います。 それらがなければ、僕は走りきれなかったと思います。 この長文を最後まで読んでくれた人にも当然、感謝します。だって、この文は長い。ありがとう! 楽天で探す! ガーデニングしよう! 去年の日記は?2006/03/25 ブルース・チャトウィン「ソングライン」~10年手帳 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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