カテゴリ:books
検見川送信所から、そんなに遠くないところに、花見川という川が流れている。
全国的にはそんなに有名ではない、この川が好きで、サイクリングでよく走っている。 川下から走っていくと、途中、若干コースが途切れながらも、千葉市、八千代市、佐倉市に入り、印旛沼を経て、利根川まで続く。往復すると、50キロにも及ぶサイクリングコースとなる。 そんな花見川が舞台になった小説があることを、慧俊さんのブログで知った。 稲見一良(いなみ・いつら)という聞きなれない作家の「花見川のハック」という小説だ。 稲見さんは大阪市生まれ。ドキュメンタリーのプロデューサーを経て、小説家になった兼業作家。94年に亡くなっている。 ネット検索すると、この作家がいかに愛されたかが分かる。Amazonのレビューの評価も高いが、ほとんどが絶版。 近くのブックオフに行った折に探してみた。「花見川のハック」はなかったが、「花見川の要塞」という短編が収録された「セント・メリーのリボン」があった。 セント・メリーのリボン 一番先に「花見川の要塞」を読んだ。 冒頭からして、ツボだった。このブログで紹介した弁天宮の対岸から始まる。 ここは花島町の辺り。僕が戯れに書いた「河童のいる送信所」という話で、河童が住んでいるとした場所である。 「花見川の要塞」はこんな話だ。主人公の「俺」はカメラマン。作家のエッセー「夢の中の花見川」につける写真を、花見川に撮りに来て、草むらの中のトーチカを見つける。そこは、野菜の行商をしている婆さんと、軍隊の制服を着た15歳の少年が住んでいた。 トーチカは千葉から津田沼に続く軍用鉄道に隣接したもので、少年は鉄道を警備する任務についているという。 「俺」は現在とも過去ともつかない場所に迷い込んで、彼らとの友情を育む。そこで、彼らと少年は鉄道が見えるというが、「俺」には見えない。「俺」はフィルムに収めたいと思う。そこに、戦時中の軍用鉄道をめぐる謀略も出てきて…という展開だ。 僕もこの軍用鉄道に魅せられて、千葉から津田沼まで自転車を走らせた。 2007/07/22 消えた軍用線路をゆく いくつかの書評を読むと、ハードボイルド&ファンタジーが稲見さんの作風のようだ。僕も短くて、渇いた文体が好きだ。まだ一篇しか読んでいないが、好きな作家の1人になるのは間違いない。 稲見さんが検見川送信所のことを知っていたかどうかは分からないが、ご存知だったら、きっと気に入ってくれたに違いない。 日本初の国際放送77周年記念 「ほぼ満月ただの月見@検見川送信所」 日時:10月27日(土)午後3時~ 集合場所:JR総武線・新検見川駅徒歩2分、はなのわ広場 参加費:無料 主催:「検見川送信所を知る会」 pdfファイルを読むにはAdobe Readerが必要です。ダウンロードはこちらから。 PDFファイル版チラシ http://moleskine.air-nifty.com/kemigawamusen.pdf ドキュメントファイル(doc)版チラシ http://moleskine.air-nifty.com/kemigawamusen.doc 「検見川送信所を知る会」では仲間を募っています。入会していただける方はこちらのメールフォームから「入会希望」と明記の上、 お名前(ふりがな): ご住所:〒 電話番号: メールアドレス: をお知らせください。 メールマガジン「検見川送信所J1AA通信」を購読していただける方は以下のURLからお申し込みください。 http://www.mag2.com/m/0000246340.html バックナンバーも読めます。 検見川送信所についてはここで過去記事をまとめています。 日本初の国際放送を行うなど日本の通信に大きな貢献をした近代化遺産・検見川送信所が取り壊しの危機にあります。これを保存、再生できないかを考えるプロジェクトです。 賛同してくださる方は以下のソースを貼り付けてください。 <a href="http://moleskine.air-nifty.com/photos/kemigawamusen/" target="_blank"><img src="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/47/0000060947/20/img2159e7f1zik6zj.jpeg" width="170" height="60" alt="musenhozon.jpg" border="0"></a> 楽天で自転車を探す 去年の日記は? 2006/10/19 DIY、庭仕事とダイエットの素敵な関係 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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