飲食チェーンの人気メニュージャッジ企画に対して思うこと
TBSテレビで毎週土曜よる8時から放送されている「ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」という番組はみなさんご存じでしょうか?その中のコーナーで飲食チェーンの人気メニューを、一流料理人がジャッジする企画が人気のようです私もこの番組はよく視聴します、この企画も当初の単発企画の頃は楽しんで見ていましたしかし、最近は頻繁にレギュラー企画のように放送されていますここにきてこの企画を視聴するのが辛く不愉快に感じてきてこの企画がある日のこの番組はチャンネルを変えるかテレビの視聴を止めるかするようになりました飲食チェーン側が一方的に一流料理人と称する方々に合格・不合格の2択のみで評価判定を受けてしまうというのが不公平感があるように感じるのです・一流と呼ばれる料理人が複数人でジャッジするということも立場上の優位の者が上から目線で相手をなぶるように感じます。言われる側がどのような気持ちになるかを忖度すると見ていられなくなります。(令和2年1月28日加筆)このようなジャッジ形態の企画物はかつて日本テレビで放送された『¥マネーの虎』(マネーのとら)や『スター誕生!』(スターたんじょう!)に似ているように思い返しますただこの場合の企画への参加者は全くの素人が自分の夢実現のために投資家・専門家に評価を受けて参加者本人が能動的に参加する企画だと考えますそれらと比べると飲食チェーンの人気メニューは個人の嗜好で好き嫌いの分かれる事はあってもそれを食す客からは一定の評価を受けそのチェーンでは好評を得て売り上げに貢献している作品ですそれを商品化するまでに社内で何度も検討・吟味・試作品・市場調査等々の大勢の担当者の努力の積み重ね、商品化する為の材料の調達・運送手段・同時多数注文に対応できる調理方法の確立等々会社としての投資も最終決定して出来上がった完成された商品だと思いますそれらを他者が(一流料理人の味覚・嗜好も他者と比較すれば偏っていると自分は思います、それが突出して強烈な個性を発揮している、その個性に魅かれる高級志向の客が集まるのだと考えます)自分の感覚での評価を下すのは短絡的に見えます(令和2年2月17日加筆)一流料理人と呼ばれる人たちも所詮は人間です人前で話すことが得意な人そうでない人がいるはずです、話の得意な人はボキャブラリーも豊富で表現力も豊かでしょう料理人という職業は元々そのような能力を必要とする仕事ではないと思います「(説明が苦手だから)口で言うより手が出るタイプ」「黙って俺の言うことを聞けタイプ」の人物が一流といわれる人たちにも多いのではないかと勝手に勘ぐります表現能力に乏しいが腕前は一流の人物が他者を判定、特に不合格判定を説明する際に使いやすいのが「材料の良し悪し」を述べる事ではないかと感じます実際そのような場面は頻繁に目にしました客単価が大きく異なる同業店舗運営する者同士がもしも同種材料で互いの料理を同時味見したらお互いの料理への所見はどうなるでしょうか?片や「客に出す材料では無い」という判断片や「過剰品質の材料では店舗運営に行き詰まってしまう」というお互いに対して異なる見解を持つであろうと想像します上記より客単価の異なる同業者で「一皿数百円~数千円」側が「一皿100円~数百円」の料理を評価するというのはそもそも材料選定の段階で「一流料理店より安価な材料選定」という不利な要素で評価を受けるので素材に対しての不合格は出し易い状況だと思いますネット上でのどなたかのご意見として拝見したものに試しに逆立場で一流と呼ばれる寿司メニューを回転すし店関係者に判定してもらってみたらどうでしょうかというご意見がありました。私も同感しました。判定意見で「この程度なら100円で提供できますねぇ」などと言われたら一流と呼ばれる職人さんはどのように感じられるでしょう、黙って拝聴できるでしょうか?プライドを持って仕事をしている限りにおいてそんな事を言われたら「冗談じゃない!この一品にどれだけ心血注いでいると思っているんだ、何も知らずに勝手な事を言うな!!」という思いではないでしょうか?当然の思いだと思います。そして飲食チェーンの関係者の方々も同様の思いを持っていたはずと推察します自分の作品にプライドを持つ人が同業他者のプライドを判定するなどという行為は失礼で軽率な行為に私には感じました。判定人の依頼を受けた際一流と呼ばれる職人さんは番組スタッフにその旨を示すべきではないかと思いました・飲食チェーンのメニューというのは吉野家さんの牛丼が示す通り。「美味い、安い、速い」で回転率を上げる事を運営の本文とされているのではないでしょうか他方、一流と呼ばれる職人さんのメニューは「すごく美味い、高い、遅い」で高級志向で客単価を上げた運営をされているのではないでしょうかバックボーンが異なるのに「料理」という一点のみの共通カテゴリで判定する側、される側に位置するのは不自然に感じますもし一流と呼ばれる職人さんで「すごく美味い、安い、速い」を実践されている方がいらっしゃればその方をこそ判定人としてお招きして評価を受けるというのが公平なジャッジと私は考えます・合格・不合格の2択のみというのは料理に対する番組関係スタッフ側の撮れ高・放送時間有りきに感じます(令和2年1月28日加筆)この合格・不合格2択は表現を変えてみればその飲食チェーン料理が各料理人にとっての口に合う・合わないという個人の意見を提示しているだけの事にしか見えないように感じます 料理への評価は「それを食し対価を支払う客が出来る行為」と思うのですが、その評価は注文から供されるまでの時間の速さ、盛り付け、香り、味わい、食感、等々各項目の総合的な評価というのが妥当で公平だと私には感じるのですがところで、かつて日本テレビ系列で木曜日19:00 - 19:56に放送されていた情報バラエティである『得する人損する人』という人気番組がありました。その中のコーナーで「サイゲン大介 VS 超一流シェフコンビニ食材だけで本格ディナー対決!」というものがありましたルールは1.対決に使用する食材は全てコンビニで買えるもの 2.材料費は1人前300円以内判定方法は10人の主婦がそれぞれ持ち点10点で判定。100点満点の審査となる。同じ土俵の上で互いに料理を作り競い合う主婦が食すメニューなのでより一般庶民の味覚に合う方が評価を得る事にはなるでしょう仕込み企画でない限り公平なジャッジに感じていました実際の放送でもシェフ側が苦杯を嘗める(くはいをなめる)場面もありリベンジを誓うシェフの姿に潔さを見ていましたもし本当の意味として飲食チェーンの人気メニューと、一流料理人が対決するのなら前述の『得する人損する人』のコーナーのように同じ土俵で料理作りで対決すべきと思います。飲食チェーンの技量が一流店に肩を並べるは無理があると思います。一流店がハシゴを下りて飲食チェーンメニューの土俵に上がるべきでしょう。*先入観・擦り込みが判定に影響しないよう同じメニューで誰の作品かは不明の上で食べ比べをすべきでしょう*飲食チェーンの使用する物と同じ食材を使用して(安い)*一定人数の客(飲食店利用・一流店利用同数混在)へのランチ時のもっとも忙しい時の状況下設定での時間制限+多人数メニューさばきで提供して(速い)*客の「美味い・口に合わない(不味いではない。真剣に取り組んで出来た物に不味いという表現は不適当、あくまで食す当人の味覚・嗜好に合致しなかったという事)」の評価の多数決で両者が判定を受けるというのが公平なジャッジだと私は思いました(令和2年2月17日加筆)飲食チェーンと一流店でお互いの使用材料を交換して調理対決をしてみるもの一考かと思います特に一流店側に対して不合格評価を出す主要因の素材に関して、逆にそれを自分が使用してどれだけの作品に仕上げられるかその「お手並みを拝見したい」と一皿100円の単価客として興味を持つ自分です本件に関連してジョブチューンの企画コーナーで私が感心して楽しみにしているものがひとつあります国内のコンビニ・スーパー・菓子メーカー・文具メーカー等の同じカテゴリの複数会社関係者が一堂に会し自社の目玉の紹介、他社の商品へのリスペクト、こっそり利用の暴露、開発担当者がライバル社を訪問エールを交換等の内容で新商品を生む苦しみ、人気商品の開発秘話、客のニーズへの年代変化対応のコツ等々見ていて安心・清々しい(すがすがしい)・他業種の人間が見ても参考になる内容と感じます。このコーナーこそもっと頻繁に放送して欲しい企画です以上個人的意見で長文・乱文失礼しました(令和3年7月25日追記)6月20日に関連続編を投稿しています、合わせてごらんください下記クリックでジャンプできますジャッジ企画 他者の作品へのリスペクトとは