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2011.06.11
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カテゴリ:ビジネスブログ
ヒット商品応援団日記No508(毎週更新)   2011.6.11.

人間がもつ多くの欲求を5段階に整理し、各段階が適度に満たされていくと、より高次な欲求へと発展していくとした「マズローの法則」がある。マーケティングや広告を志望する人であれば若い頃必ず使ったことのある法則で、どの欲求をどのように動機づけたら良いのかといったテーマで使われてきた。

1)生理的欲求(食欲・睡眠・性欲)
2)安全性欲求(住居・衣服・貯金)
3)社会的欲求(友情・協同・人間関係)
4)自我の欲求(他人からの尊敬・評価・表現欲)
5)自己実現欲求(潜在能力の開花)

1970年代当時は1→2→3→4→5へと「豊かさ」は発展・進化していくと説明されてきたのだが、現実はそれほど単純なものとして進んでは行かない。但し、あくまでも一つの整理軸として、そのように使えば今も使えるものとしてある。

何故、こんな古い物差しを持ち出したかというと、前回のブログで小国ブータンを例に挙げて国民総幸福量(GNH)という新しい価値概念にふれたからである。物質的豊かさから一旦離れ、他人の喜びを我が喜びにする、そんな幸福世界を可能とするコミュニティ欲求、自治欲求、といった国づくり欲求の世界である。
私の場合、東日本大震災を通じこうした世界を感じ取ったのだが、上記の整理を踏まえると被災地には数日間から数週間にわたり、1生理的欲求2安全性欲求という生きる為の基本的な欲求を満たすことが全くできなくなってしまった。あるのは3社会的欲求と4自我の欲求(5も含まれるかもしれない)、それら欲求の発露である姿を、人は宮沢賢治の言葉を借りて東北人の底力と言い、ある人は失ってしまった日本人のこころ、故郷がまだ残っていたと語られた。

恐らく1から5の先に未だ明確ではないが6を見出す方向に向かっているということであろう。東北3県の復興についても新しい価値観、新たな視座が求められている感がする。
数週間程前の震災に関するニュースであったが、岩手三陸の牡蠣養殖復興のためのファンドが生まれたという。若い世代の流出が続くなかで、働く場を早くつくる為の資金づくりである。ツイッターのつぶやきから生まれたファンドと言われているが、1口1万円の「支援オーナー制度」ということである。これは緊急支援であり、義援金的であるが、長野県飯田市で3年前にスタートした太陽光発電事業の「おひさまファンド」(http://www.ohisama-fund.jp/)という市民ファンドのような仕組みとしてビジネスとして成長されたらと思う。

今回の大震災で驚かされたのは、地域の生活者と共に、いかに地域を思い、現場で必死になって復旧の指揮を執っている地方自治体の首長が多かったことだ。南相馬の桜井市長を始め、陸前高田市、南三陸町、福島飯舘村、・・・・・恐らくマスメディアの報道に載ってはいない賢明なリーダーシップを持った町長、村長が多く活動されていると思う。
そして、大震災の教訓として、政治、経済などの分散化が指摘され、その文脈のなかで地方分権が語られている。が、復興計画こそこうした被災地の首長の手によって行われるべきであろう。そして、まず権限と予算を渡すことだ。例えば、2500億円を超える義援金の支給についても、公平性と迅速性という理想に近づけることに議論がさかれているが、一定のガイドラインを決めたら後は自治体の首長にまかせたら良い。岩手、宮城、福島の各知事の意見の違いが伝えられるが、そんなことは地域の実情は異なっており、至極当然のことだ。使い道は被災者のことを一番理解している現場の首長に任せることである。

大震災後、3ヶ月経ってやっと復興基本法案が国会に提案された。政治の無能、無責任、ていたらくさについてはこれ以上言う気はないが、政治を無視した経済、その結果である消費はあり得ない。ところで、日本とブータンを比較してみるとわかるが、震災3県がいかに大きな経済力をもっているかが分かる。(http://ecodb.net/exec/trans_weo.php?d=NGDPD&s=1980&e=2011&c1=BT&c2=JP)と同時に、小国ブータンの成長には目を見張るものがある。ブータンというと、何か縮小しているような感覚にとらわれるが、着実に成長していることが分かる。
復興基本法案の一つに税制支援を踏まえた「特区構想」がある。勿論、独立国家とまでは言えないが、国民総幸福量という視座も構想の一つになりえると思う。もう一つの国づくりを東北で行うということである。つまり、東北3県に無数の小さなブータン国が生まれるということだ。

そして、消費はどのように変わるであろうか。従来の消費は、大量生産、大量販売、大量消費であり、理屈として飛躍するがその象徴が原子力発電であった。今後は生産も、販売も、消費も身の丈サイズになる。別のキーワードで表現するとすれば、「ロングライフ志向」といった価値観となる。永く使い続けたい、愛着が湧く、馴染んだ感じ、どこかほっとする、最初購入する時はチョット高いが、永く使えば結果としてお得、そんな価値世界である。このことは決して市場が縮小することではない。量から質への転換が始まったと理解すべきである。
次々と新製品や新規店のオープンといった変化情報(=刺激)が押し寄せるなかで、それでもなお使い続けたい、食べ続けたい、住み続けたい、とする価値観である。こうした消費の潮流は以前からあったが、これからは本格化する。復興を目指す東北3県はこうした都市消費を踏まえた生産と共に、それこそ小さなブータン国として都市生活者と永いつきあい関係を結ばれることを願いたい。(続く)





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Last updated  2011.06.11 14:15:33
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