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このプロム・ドレスでは、本当に大変な思いをした。 というのも、ドレス自体よりもお直しの方が高く付いちゃったからだ。 ドレスの事なんて何も知らない旦那の耳に入ったとしたら、お直し代の値段を聞いた途端にひっくり返るだろう。 ドレスを買う時も値段の事で一苦労だったのに、お直しがドレス以上に掛かるだなんて、とてもとても。 このドレスのお直しは、私がネットで見付けたウェディング・ドレス専門のブティックで、レビューを見て評判が良かったお店。 早速電話をすると、感じの良い女性が対応してくれて、プロムドレスのお直しも受け付けていると言うので、直ぐに予約を入れた。 当日Jenと一緒に、NicoleとTiffanyも連れて行ったんだけど、 待合室に通されると、お店の外見とはガラッと違って、 中はエリザベス宮殿みたいな重厚な雰囲気で、 待合室では、部屋の大きさには不釣合いに大きい、豪華なシャンデリアが、キラキラと光り輝いていた。 待合室ではオペラの曲が静かに流れていて、妙に緊張感が漂う。 直ぐに助手の女性が笑顔でやって来て、 「何かお飲み物でも召し上がりますか? 冷たくて美味しいアイス・ティーなどは如何ですか? 今入れたばかりなんですよ。」 と、ロシア語訛りの英語で話し始めた。 因みに最近この辺りは、インドと共にロシアからの移民も多い。 JenとNicoleは、中の雰囲気に圧倒されたのか、飲み物にもお金が掛かると思ったのかは分からないが、遠慮をして、 「いいえ、結構です。。」 などと言っているが、 私は雰囲気で、かなりの高額を請求されると悟ったから、 どうせ高い金を払わせられるんだから、飲まなきゃ損! 見たいな気持ちになってて、 「それじゃ、頂きます。 砂糖はもう入ってますか?出来れば入っていない方が良いんだけど。。。」 というと、「大丈夫、入っていないですよ。」と言って、 異常に細くて背の高い、素敵なデザインのグラスに入ったアイス・ティーを持って来た。 するとTiffanyが、 「私はアイス・ティーは好きじゃないから、アップル・ジュースが良いな。」 「OK!今すぐ持って来るわね!」 唖然とする私とJenとNicole.... 出されたアップル・ジュースを頬張りながら、今度は部屋の隅のテーブルの上の、3つのお皿に盛られたお菓子を指差して、 「あのお菓子は、一人何個ずつまでなら食べてもOKなの?」 おいおいTiffany・・・ 勘弁してよ、もう~~~~。|_-。) 助手の女性は笑いながら、 「幾らでも、食べたいだけどうぞ! フフフ!」 そう言って、脇で赤面している私に向かってウィンクした。 JenとNicoleにも、 「テーブルの上にあるお菓子は、好きなだけどうぞ。」と言って、助手の女性は、Tiffanyの頭を軽く撫でてから奥へ入って行った。 彼女が部屋から出るなり、JenはTiffanyに向かって、 「もう! 何なの一体! 恥ずかしいわ!」 Nicoleも脇で、同感と言う風にして呆れ顔で居た。 「それにしてもマミー、ここ結構高いんじゃないの? 大丈夫?」 2人共心配そうにして、私の顔を覗き込む。 「大丈夫よ。。。」 私は精一杯余裕の表情を見せながら、アイス・ティーを飲み干した。 そんな私達の不安をよそに、一人お菓子の品定めに忙しいTiffany。(ノ_-;) そうこうする内にデザイナーのデボラが、私の前のクライアントだった、年配でとっても品の良さそうな女性を笑顔で送り出してから、ニコニコしながら寄って来た。 「ごめんなさいね、お待たせしちゃって!この時期は物凄く忙しいんですよ。」 彼女も年配だが、とてもプロフェッショナルな印象を与える女性だった。 「それでは、別の部屋に移動しましょう。」 そう言われて通されたのは、 待合室のよりも、更に大きいシャンデリアが垂れ下がり、 部屋の真ん中に、人一人分が立てる位の、小さい円形のお立ち台がある、360度鏡張りの、目も眩む様な部屋だった。 シャンデリアの放つ光が鏡に反射して 子供達がちょっと興奮気味に 「ワーォ!綺麗~~~!」 私も思わず、「おおおぉぉぉーーー! スッゲェ~!」 しかし私の場合は、感動の意味合いが違う。 部屋に入った途端、私の大好きなブルース・リーの映画、“燃えよドラゴン”の、 大ボス、ハンとの最後の戦いのシーンに出て来る、あの有名な“鏡張りの部屋”に入ったような気分になってしまったからだ。 ブルース・リーが、血のにじむ胸を曝け出して、じりじりとハンを追い詰める、手に汗握るあの場面! まさか、、、ブルース・リーが、 この部屋の鏡の間から出て来ちゃったりしてーーーっ!ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♪ とまぁ、大いに胸が躍っちゃった私。 しかしさぁ、、、 エレガントなウェディング・ドレスの試着室で、こんなクダラナイ事を想像しているのって、多分私だけなんだろうなぁ。。。(-。-)y-~~~~.。o○ お暇な方は動画でどうぞ。。。(例のシーンは、2分46秒辺りからどす。) Jenがドレスに着替えて、お立ち台の上に上がると、一同ため息。。。 Jenの顔とドレスのスパンコールが鏡と反射して、もう目の前がだらけ。 「何て素敵なの! この姿をお父さんが見たら、さぞかし感激するでしょうね! 私はこの道30年以上やっているけど、こんなに素敵なドレスは珍しいわ。」 どうやらデボラは、お口の方もプロフェッショナルなようだ。 彼女は私達と話をしながら、助手の女性とテキパキとこなして行く。 流石プロだなぁ。。。今までのお直しの人とは全然違うわ。。。 それでは見積もりの計算をするので、ちょっとお待ち下さい。 そう言って助手の女性と部屋から出て行った。 3分程で、1枚の紙を持ってニコニコしながら戻って来た。 「それでは、裾上げと胸の部分の詰めは、スパンコールの模様が入っているので、普通よりお高めです。それで、この位掛かります。」 「うっ!」 「それから、背中の部分のお直しですが、デザインをし直しますので、この位掛かります。」 「ゥ、、ウガッ!」 「と言うことで、トータルでこの位になります。 前金は$250で、残りはドレスが完成してからという事で、如何でしょうか?」 デボラがペンで指している金額を見て、(_△_;ガァーーーン!! 私の顔色を見て、Jenが心配そうに私を見つめ、デボラに気が付かれない様に、首を横に振りながら 「No!No!」と言うサインを送っている。 ここでちょっと話が外れるんだけど、 Jenは高校生活の4年間、フレッシュマンから4年連続でプロムに出る事になる。 過去の3年間は、近所の裁縫が得意な年配の女性にお直しをして貰っていた。 確かに物凄いリーズナブルなお値段だったんだけど、やっぱり素人仕事で、“安かろう、悪かろう”だった。 雑な仕事をされて、折角のドレスが台無しになった事がある。 特に去年のドレスは、ちゃんとヒールを履いて試着をして寸法を図ったにも拘らず、ドレスの裾を物凄く短くカットされちゃって、仕方なく平べったいサンダルを履く羽目になってしまった。 背中がぐっと開いた素敵なデザインのドレスも、お直し後にデザインが変わってしまったとか。。。。 とにかく例を挙げたら限が無い。 特に今回のドレスは、スパンコールが散りばめてるので、お直しは難しいと予想していた。 だからこそ、ちゃんとしたプロの方にお願いしようと思った。 それにこのドレスは、Jenが一目惚れしたドレスだし、 彼女にとって、一生に一度の思い出に残るプロム。。。 この特別なドレスのお直しを、下手な所にお願いして台無しにしたくなかった。ε= (´∞` ) ハァー ここは私が、清水の舞台から飛び降りるつもりで一肌脱ぐしかない!と、腹を括った。 旦那には、お直しに掛かる全額の値段は内緒にして、前金分$250を“お直し代”として払って貰い、 残金は、私が以前から非常時用の為にと、少しづつ貯めていた自分のへそくりから補充する事に。。。 「デボラ、それじゃ貴方にお願いするわ。」 「ファンタスティック! それでは前金は今ここで、後はドレスが完成してからと言う事で。。。 こんなに素敵なドレスのお直しをするのは光栄だわ!」 とことんまで、プロフェッショナルである。。。。( -.-) =з デボラはJenに、向かって、 「それでは、もっと正確な寸法を測りたいので、もうちょっと時間が掛かるけど、我慢してね。」 再び助手の女性と作業に掛かりながら、つまらなそうにしているTiffanyに、 「もうお菓子は要らないの? マミーが良いというのなら、もっと食べていいのよ。何か飲みたい?」 するとTiffany, 「私本当は、お店の入り口の所にあった、ガラスの器に入った、宝石みたいな飴が気になってるの。」 デボラは作業をする手をちょっと止めてから、 「ああ、あれの事ね! 流石お目が高いわね~! ちょっと待ってて。」 と言って部屋から出て行き、砂糖でコーティングされた、カラフルな飴の入ったガラスの器を持って来た。 大きな銀のスプーンで丁寧に飴を一つずつお皿に移し、Tiffanyに手渡しながら、 デボラ:「これは私の大好物なお菓子なのよ。 あんな目立たない所にあったのに、よく気が付いたわね!ヾ(  ̄▽)ゞオホホホホホー」 Tiff:「Thank you~。私お店に入った瞬間、直ぐに目を付けたのよ。何だろうこれ?ってね。」 飴を5つもお皿に盛ってもらって、満点の笑み。 Tiff:「ついでになんだけど、お兄ちゃん(Michael)にも貰って行って良い?」 (_□_;)!! ⌒o(-_- )ヤレヤレ( -_-)o( ̄口 ̄;)!!ガーンドッコイショ デボラ:「あらっ! うふふふ。。。お兄さん想いなのね。 ちょっと待ってて、今お菓子を入れる袋を用意するわ。」 全てが終わってブティックを出る頃には、両手に抱え切れない位のお菓子を貰って大満足気なTiffany. 「マミー、デボラは良い人だね。又来ようね!」 “おいっ!ここは最初で最後なの!” その後3回程デボラのブティックへ出向いて、細かい修正をして無事終了となったのでした。 案の定その夜旦那に、お直しに$250掛かったと説明すると、 Two Hundred Fifty Dollars!? と、狼もまっ青な位の雄叫びを上げていた。(^▽^;) 本当の金額を知ったら、多分気絶だな。(* ̄m ̄) ドレスの写真は、楽天へのアルバムへアップするのが面倒なので、既にアップしてあるこのリンクからどうぞ。 そうそう、NicoleのSpring Danceの写真も良かったらどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/06/22 10:59:23 AM
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