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2003年11月06日
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事業計画とは何か? ある社長は言います。

「それは、まあ、夢を数字にすることやと思いますね。」

総従業員数180名の特殊繊維会社の創業社長です。
今は、中国の上海と青島にも工場をお持ちです。

「私は、自分が開発した食品会社向けの帽子はきっと多くの人、多くの企業に認めてもらえると信じていました。
できるだけ、多くの人にその帽子を知ってもらい、自分の会社の名前も覚えてほしいなぁって、思ったのですよ」

しかし、本当はどれぐらい売れるものか、その社長も、実はさっぱり見当がつかなかったそうです。でも初めはとにかく年間で100万枚ぐらい売れたら、ちょっとは名も知られるようになるだろうと考えたのだそうです。漠然と……。

その社長は、売れる価格を設定し、それに枚数をかけて売上計画を立てたそうです。費用についても、できるかぎり細かく見積もって予測を立てたという話でした。

「はじめに立てたそれらの計画は、大きくはずれましたわ。一年目は、顔が真っ青になるほど、真っ赤かの赤字でした。当然、一年目でそんなに売れるはずはないですもんね。それでも3人ほどの工場スタッフをパートで雇って、家内を経理やその他事務の担当にして、私も夜はミシンを踏み、昼は営業に回るということで、何とか持ちこたえたわけです。必死でした。」

サラリーマン時代に貯めていたお金と私財を担保にした借金等でなんとか会社を維持しながら、その社長は頑張ったそうです。眠る時間も惜しみながら。

「でもね、不思議なことに、心で念仏のように100万枚、100万枚と唱え続けていると、そんなに時間がかからずに本当に100万枚の出荷が実現しはじめました。ある大手の食品メーカーに食い込むことに成功したんです。
ほんとうに100万枚の夢がかなったのですね。3年目ぐらいでしたっけ。おそらく、この計画がなければ私の事業はポシャッたと思います。」
社長は、窓の外の空を目を細めてながめながら言った。

「事業計画をしっかりつくらない会社があるようですが、それはやっぱり、いかんなぁと思いますわ。それは事業計画を何か、事務的なもので、じゃまくさいものと、誤解してるからとちゃいますやろか。」……社長の言葉に熱がこもった。

「事業計画は、夢を紙の上に描くことやないですか。夢を粗末にしたら、そらあきませんわ。夢は大事に、しっかりと描きださんともったいないでっしゃろ。それが事業計画やと私は思うんですよ。それを頼りにしてきたから、従業員の皆さんも私らもみんなひとつになって頑張って来れたんです………」





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最終更新日  2003年11月06日 22時39分19秒
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