一項目一品主義
友人のアニキブログからのトラックバック一項目一品主義という言葉が文中にあったので反応してしまった。思えばわたしはモノ好きでいろいろ買っては失敗を繰り返してきたが最近になってようやく一項目一品主義に落ち着いてきた。まずは車だが、一時期2台の4輪車を所有していたが結局乗るのは1台なのでいまのアルファロメオ1台に落ち着いている。特に欲しい車やどうしても買い換えたい車はない。全くない。と断言できる比率に限りなく近い。次にオートバイはシングルから2スト・4ストカウル付きからオフロードバイクまで様々なジャンルを乗り継いできたが、97年よりいまのハーレーその名もロードキングに落ち着いている。名前が王道であることも気に入っている。バイクに関してもわざわざ買い換えたいオートバイはどこにもない。全くない。多少は気になるオートバイがあってもすぐ消えてゆく。これもまた全くない。と断言できる比率に限りなく近い。車・オートバイ以外にわたしの所有物で最も変遷が激しかったのはカメラだ。元々コレクターではないのだが一時期は危うくコレクターレベルになりそうだった。コレクターを否定しているわけではないのだがわたしの場合は、精神衛生上同じ目的の道具が複数所有していると、なんだかとてもよろしくない状況であることが判明している。ちなみにこのカメラの領域も、1990年代初頭にライカM6を入手して以来、一項目一品主義の銀塩カメラの領域はこれ一台に落ち着いた。確かに時々M3が欲しいなあ、あるいはフォクトレンダーもいいなあとか思うが、結局のところ買うほどのレベルには到達しないのである。ニコンのF3システムもヤフオクで売却したので結局のところいま手元にある銀塩(フィルムを使用する)カメラはこのライカ1台である。恐らく生涯、サントリーの山崎のCMコピーのように銀塩カメラにおいては、なにも足さない。なにも引かない(笑)と思う。デジカメは?EOSキッスデジタルは?IXYはどうした?と指摘されるだろうが、あれは銀塩カメラではなくデジカメだ(笑)デジカメはカメラというよりレンズ付きの小さなPCのような存在なので今後も、いずれかの機種に落ち着くことはないように思う。落ち着く時はかなり技術が成熟し、落ち着けるだけの商品が市場に出回る頃だ。相変わらず他品種大量生産が根底にあり過去のブランド力だけに頼っているメーカーは将来つぶれると思う。いろいろな分野で一項目一品主義、あるいはオンリーワンの気持ちよさを一度知ってしまうとコレクターが趣味です!という人を除いては、まさにオンリーワンな商品しか生き残れなくなる。製造メーカーの仕組みは人が喜ぶモノ・欲しいモノを企画して設計して製造して販売し、その利益を元に次の商品を生み出す。白物家電が三種の神器と呼ばれた時代にはそれらの道具は、ない状況に比べるとまさに神業的な効率のよさで仕事をこなし、時間という有限な利益をユーザーは得ることができたがいまの日本製品には、もはやあれがないと後戻りできないほど生活に密接した製品はほとんどない。もしあげるとすれば、携帯電話やPCなどの通信手段だろう。家電品の多くがそのモノそのモノがなにかの仕事をこなす道具であったのに対して、携帯電話やPCは、メールやインターネットという通信をすることにより初めて、モノが道具として機能するウェィトが高いのである。話が違う方向にそれてしまったがこれからの時代。一項目一品主義な人は増えてくる。本物を見抜く目がユーザーの多くに備わってくると多少の価格差では売りにつながらなくなり、目先のオマケや表面的な装飾は見破られてしまうだろう。個人差。主観や使用目的により差が出てくるので従来の手法。ユーザー動向や意見のデータを元にすべてを最大公約数的に網羅した商品は売れなくなってくるのではないかと思う。そしてその突出した項目で売れるのは本物の一品という時代になる。1位の商品だけが売れて2位以下は大差なく売れないという事になる。わたしが今使用しているソニーエリクソンのドコモのケータイは大変満足している。大げさな言い方をすればもうしばらくこれでいいや!と思えるほどの満足度だ。その前に使用していた同じソニーエリクソンのドコモ・ケータイと比べるとまさに地獄から天国ほどの差がある(笑)大きくて操作性は悪くなかったが、ケータイを常時携帯するにはあまりに分厚く大きくて、肝心のカメラ機能もレンズの暗さ故にお粗末であった。それと比べるといま使っているケータイは同じメーカーながら、限りなく小さくていつでも携帯できる。まさにケータイ電話の主目的にもっともシンプルに追求しているのである。反面キーは小さくて押しづらくメールも打ちにくい。流行のカメラもついていないが、ケータイのメールは使わず、カメラもIXYを常に携帯しているので特に不自由はない。ケータイ電話の電話機能だけを求めていたユーザーにとってはほぼ100%に近い満足度なのだ。もちろん全てのユーザーがこう言ったタイプを求めているわけではないし、むしろそう言ったユーザーは全体の中でも少ないかもしれないが今後生き残って行く製品の一端を見た気がする。ドコモ以外では、最近おおきなボタンのかんたんなケータイも出ているがあれも同じで、その項目(ユーザー領域)の中でのベスト商品であることに間違いない。より1位となる売れる商品を生み出すにはどうすればよいか。それは別の項目。今までにない項目を新設することだ。SONYのウォークマンが世に出て売れた時は、ウォークマンという項目を生み出したからだ。同じく今、iPodが売れているのもiPodという新しい項目であるためにヒットしたのだと思う。