『春の日の夕暮』
トタンがせんべい食べて春の日の夕暮れは静かですアンダースローされた灰が蒼ざめて春の日の夕暮れは静かです吁!案山子はないか―あるまい馬嘶くか―嘶きもしまいただただ月の光のスメランとするままに従順なのは 春の日の夕暮れかポトポトと野の中に伽藍は紅く荷馬車の車輪 油を失い私が歴史的現実に物を云えば嘲る嘲る 空と山とが瓦が一枚 はぐれましたこれから春の日の夕暮れは無言ながら 前進します自らの 静動脈の中へです中也の初期詩篇ですから、やっぱりちゃんと書いておこうと、本をひっぱりだして来ました。ついでに、友川かずきの『俺の裡で鳴り止まないもの』を真似しながら、坂本弘道のノコギリのようなバイオリンの音を脳みその中に聞きつつ、今日の晩も食事は11時を過ぎそうなので、変換間違いのないようにゆっくり打ってみました。主人や息子の遅い日はこれ幸いに本に没頭したいのですが、網走五郎さんの本はまだ届きません。