巡り・あい・言葉
はじめて見た名も知らぬ女優さんがやけに心にひっかかって、追っかけてみたがどこにも姿なく、諦めたようにつと振り返ってみるとそこにいる・・・ではないか。しかも、私の中で美しいのかそうではないのかも判らずにいたのに、中世の衣装をまとっているその姿は・・・なんと私の憧れに似た美しさではないか・・・。私は『輪廻』を見ていた。物語の中で、ある言葉を聞いた時、自分がなぜ主人と結婚したのだったかを思い出した。私は前世も来世も信じる者ではないけれど、仮に前世があったとして、あれは合言葉だったのだろうかと、それはもう結婚してからも幾度も幾度も考えた。なぜ私はその言葉で唐突に結婚しようなどと思ったか。。。なぜ私は千回結婚しようと言った人とも、またどんなにか好きだった人とも結婚せずに、いきなり、はじかれたように主人と結婚しようと思ったのか。。。理由は幾つも考えられた。子供を育てたあとではまだもっと色んな理屈をつけられた。その言葉は私に向けられた言葉ではあったが、実は自分を語った言葉にすぎなかった。半分以上は私の意向を聞くというような、そんな話ではなかった。他の者はそれを私に望んだこと。あれはNAKAさんのレギーネにも似ていた。片恋の話だ。めぐり巡り、幾たび生まれ変わろうとも、その言葉だけは・・・その想いだけは人は持ち続けるというのだろうか、なんという哀しい三千年もの?いや一億、十億年もの恋の話だと?だって言うなれば原子の頃からの話じゃないか。。。