行こうと思えばどこへでも行ける
私は、良いことがあろうが悪いことがあろうが、自分から誰かに電話をかけたということがほとんどない。かけて、誰かに何かを話したいと思うことがないのだ。だから電話なんか必要ないかとも思うが、今の世の中ではそうもいかず、独身時代と違って、結婚してからは固定電話もあるし、今は携帯も仕方なく持たされている。しかしこのケータイというやつは実に面倒である。どうして人はすぐに電話したがるのだろう?姉達に言わせると、食べることも喜ばんし、世の中、あんたみたいなのは滅多におらんのよ。だから姉達も私に電話をかけるのは遠慮がちになるらしいが、大型連休ともなるとやっぱりかかってくる。私によくわからないことがある。どこかに行きたいと思ったら行けばいいじゃないか。お金も暇もあるのだから。私はそう思う。聞けば知らない所へは一人では行けないんだといつも言う。行ったことのない所はどこだって知らない所だ。私だったらワクワク胸弾むのに、どうも不安が先に立つらしいが、間違ってどこか違う所に着いたってどうってことはない。むしろその方が面白かったりするじゃないかと私は思うのだけれども。。。誰かと一緒にどこかに行こーなんぞあまり考えずに今日まで生きてきた私には、一人ではどこへも行けない人のことが実際よくわからない。よほどの恐い所でもないかぎり、誰かと一緒なんぞ面倒なだけだのに。しかし、そういえば、付き合った若い女性達もどこへも行ったことのない人達だった。若ければ若いほど、ただの行楽ならどこへでも簡単に行けそうなもんだのに、自分の知っている圏内をうろうろしているだけの青春を送っていた。だからか、どこか遠くへ連れて行ってあげるとやけに感激したりしていたもんだ。なんだろう?実際よく分からない。そんなんじゃ大きくなれないだろうに。