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ひよきちわーるど

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2005.11.02
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カテゴリ:思い出の人

ふと気付くと
もう、紅葉の頃だったのですね。

眼にはうつっていましたが
心にまで届いておりませんでした。







それまで私にとりまして
紅葉というのは幸福と安堵の象徴だったのです。







3年前の丁度今頃
桃花さんから電話があって

「病変が消えちゃったんです!」と。





思わず大きな声で

「本当に!?」と叫んでいました。






桃花さんの声も弾んでいて
私も突然のことだっただけに
驚くやら大喜びするやら。

とにかく、桃花さんがこれ以上苦しむことはないのだと
もう、痛い思いをしなくていいのだと
本当に嬉しく
思わず電話口で泣いたことを覚えている。






丁度その時、私は台所で夕食の支度をしており
右手には菜箸を持っていた。

お鍋からはいい匂いが漂っていて
湯気がぽわぽわたっていた。







電話を終え、しばらくぼーっとして台所に立ちつくし
お鍋からたつ湯気をぼんやり眺める。

あたたかな湯気は次々にたち
・・・なんて幸せな光景だろう、と。

こんな風に、桃花さんに
これから楽しいこと、嬉しいこと、たくさんたくさん訪れてほしいと思った。







洗濯物をとりこもうと庭に立ち
裏山に広がる紅葉に目を奪われる。



こんなにも嬉しい出来事のあった日。
そんな日に 眼に飛び込んできた紅葉の色。



・・・きっと 今日のこの景色 
ずっと忘れないだろうな、と。












今年の10月下旬、お見舞いに伺ったとき
春の花々の絵はがきをお持ちした。

来年の春の花を
みんなで一緒に見ようねという思いで。







桃色の花、黄色の花、水色の花
次々に咲き初める季節に
一緒に生きていたかった。






















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Last updated  2016.01.01 22:13:40
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