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ひよきちわーるど

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2005.11.04
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カテゴリ:思い出の人

ふと気づきましたら
桃花さんに関する日記、こんなに書いていたのですね。

桃花さんは私たち夫婦にとりまして兄のような存在でしたので
そしてまた信仰やその他、多くのことについて本音で話すことのできる人でしたので

私にとりましても、そしてまた夫にとりましても
今回の出来事というのは本当に大きなことでした。








彼のサイトに行きましても
当然の事ながらもう、更新はなされないのですね。






不思議です。

お亡くなりになってそのお顔を拝見しておりますのに
そして告別式にも参列させて頂いたと言いますのに
心のどこかで彼の死を未だ信じられずにいる自分がいるのです。

彼の携帯に電話をすれば
「ひよきちさん?」と声が返ってくるような 
そんな錯覚に陥ってしまうのです。








桃花さんがお亡くなりになる前日、
ホスピスにお見舞いに伺いました。

本当に辛そうでした。



「ごめんね。
 さすがにしんどいや。」と

「食堂に一緒にお茶を飲みに行きたいけれど
 体が動かないんだよね。」と

笑って仰っていました。







こんなに辛そうにしていらっしゃるのに
ここに私がいていいのかと思いました。

でも、私で何かできることがあれば
何でもしようとも思いました。

・・・何でもしようと思いながら
何の役にも立てないだろうことも分かっていました。






そのうちに桃花さんが

「食堂に行ってジュース頼んできてもらえますか?
 ひよきちさんも、何か頼んでね。」と仰いましたので

私は 桃花さん、喉が渇いたのかもしれない・・・と思い
急いで食堂に走りました。






でもね、あとになって気づいたんです。
あとになって気づくなんて本当に馬鹿ですよね。

もう、ほとんど何も喉を通らなかったはずなのに
桃花さん、私に気を遣って
そうやって言って下さったのだ・・・と。






私その時、桃花さんにはジュースを
そして自分には熱い紅茶を頼んだんです。

そしてジュースと紅茶とをトレイに乗せて病室に戻ってきました。





・・・紅茶を頂いていますときに
お昼が運ばれてきましてね。

あまり、長居をしてはいけないなと思いました。





早く失礼した方が 桃花さんもお疲れにならずにすむと思い
急いで熱い紅茶を飲もうとしたのですが
とても熱くて早く飲めなかったんです。

焦れば焦るほど飲めなくて
でも、私が病室にいる時間が長くなればなる程
桃花さんに負担をかけてしまうと思って

それで紅茶を半分だけ頂いて
少しでも早く失礼することに致しました。






今になって思えば せめてその時だけでも冷たい紅茶を頼んで
短時間で全部頂いた方が良かったのではないかと。

せっかく桃花さんが気遣って下さったというのに
その紅茶を半分残してしまうかたちになってしまったんです。

でも・・・熱い紅茶を全部頂くには
その時かかった時間の2倍以上もの時間が必要だった。
その間、私が病室にいる間は
桃花さん、気を遣ってゆっくりできないのではないか、と・・・・。




わずか短時間の間にいろんな思いが交錯しました。




ひとつひとつ、
あのときはこうすれば良かったのではないかとか
こんな風に言えば良かったとか あとになっていろんな想いが出てくるんです。

今になって後悔しても遅いのですが・・・・。













・・・・私が病室に伺いまして
その36時間後に亡くなったことになるのです。

亡くなる36時間前に
見舞いに来た友人に
あんな風にあたたかく接することができるものでしょうか。

私には到底できないことです。






桃花さんは あんなに辛い中で
人に対する優しさを決して失うことはなかった。





最後まで 何と強い人だったのだろうと思うのです。

人間とはここまで 気高く優しくなれるものかと思いました。










人は皆、いつかは逝きます。

私も何十年かあとにはこの世を去るでしょう。

その時に、桃花さんのように
優しく強くできるだろうかと思うのです。








桃花さんは

人間とはここまで気高く
強靱に生き抜くことができるのだということを教えてくれました。




最期まで 本当に
優しい兄のような人でした。















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Last updated  2016.01.01 21:42:55
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