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ひよきちわーるど

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2006.02.27
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カテゴリ:生きていくこと

そう、丁度今頃の季節だった。

八王子のJR高尾駅の前は霊園に行く人々でごった返し
その頃 駅すぐ近くのケーキ屋さんでアルバイトをしていた私は
毎日毎日大忙しの日々を送っていた。




丁度その日も大家のおばさまに声をかけられ
お店のお手伝いに。(大家さんはケーキ屋を営んでおられた)

急いでいかなければと思いながら自分の部屋を出ると
大家さんが「今日はね、大事な日だから」と一言仰った。

・・・はて 今日は一体何の日だったかな?と思いながら
エプロンを片手にケーキ屋さんへ。




大家さんはにこにこしながら
「今日はね、いい話があるんだよ」と仰った。


何かあるんですか?とお訊きすると
「今日はね、お見合いなんだよ」と。






・・・・?

大家さんは50代。
当然結婚なさっている。




事態を飲み込めないでいる私に
大家さんはじれったそうに

「だからさ、○○ちゃんのお見合いなんだよ。」と仰った。







私は一瞬頭の中が真っ白になり(笑)
危うく持っていたモンブランを落としそうになった。




誰が?

・・○○ちゃんって私以外の○○ちゃんのことか?
(ショックのあまり意味不明)



いつ? 何処で?

たった今から? このケーキ屋さんの店頭で?



何故?

どうして私がお見合いなのだ?
私はまだ20歳だ。





俯いて口もきけなくなっている私に 大家さんは

「○○ちゃんはね
 はやいとこ結婚しちまった方がいいんだよ。」と仰る。

「年下とか同い年はダメだよ。
 うーんと年上の人と早く結婚しちまいな。」




いや・・・その、しちまう(笑)のはよいのですが
私はまだ20歳で
学業がまだ2年ほど残ってまして

お見合いとなりますと
両親と相談しなければならないことですし

心の準備も何もありませんし




・・・・いろいろな言葉が頭の中を駆けめぐるのだけれど
上手くいえない。




しどろもどろになっている私に大家さんは
「もしかして付き合っている人がいるのかい?」と慌てて仰る。

いえ、お付き合いしている人はおりませんとお答えすると



大家さんは 今日、お見合いをする相手の方のことについて
説明をしてくださった。



・・・・何と ひよが通う大学の講師の方でいらした。

12歳も年上の方で 大家さんの仰るには
温厚でとても良い方だとのこと。

大家さんが その方の結婚相手について考えているときに
ひよのことが浮かんできたとのことだった。

今から相手に電話をするから
○○ちゃんはこのお店にいればいいから、と。






余りにめまぐるしく
また一度にたくさんのことをいわれたものだから
ひよの頭の中・・・・整理がつかなくなっていた。





不安はいっぱいあった。

お見合いしたとしても
こんなひよのことだから断られると思った。

相手の先生にしてみたら
「一体どうやって○○さんを傷つけずに断れるだろうか」と
お困りになるに違いないと思った。

そして これからまだあと2年間残っている学生生活において
学内で先生にお会いするたびに
気まずくなるかも・・・と。




お見合いといったら やはりその前に
両親に相談しなくちゃ・・・という思いもあった。

勝手にお見合いをしちゃいけないとも思った。



もっと他に大事な理由があったような気がするのだけれど
大家さんには「・・・親に相談しないと・・・」とだけ伝えた。






その時の大家さんの言葉が今も胸に残っている。



「親が、周りが、じゃなくてさ
 ○○ちゃんがどうしたいかなんだよ。」と。







それを聞いて 
一気に自分の迷いが晴れたように思った。



・・・そうか。
私は怖かっただけなんだ。

こんな風に 一生を左右するかもしれない時に
自分で判断を下すのが怖かったんだと思った。




人の人生って こんな風にひとつひとつ
自分で決めながら進んでいくものなんだなと思った。






落ち着いて考えて
今 自分はまだ20歳なので
やはりどうしてもお見合いのことは考えられないこと、

これからやりたいこともあること

ひよが相手の方から断られる可能性大だから
最初からお見合いをしない方が 私としては有り難い

・・・そんな風にいろいろ思っていることを
大家さんに正直にお伝えした。



でも、そんな風に ひよのことを心配してくださっていることは
とてもとても嬉しかった。







その20歳の時に痛感した

「自分の人生なんだから自分で判断を下す」


これは今も胸の中に持っている。





それからは就職にしても 結婚、出産、育児にしても
全て自分で決めて生きてきた。


人任せにせず、また人のせいにせず
自分で決めてきたので
その結果についても納得ずくで受けとめることができる。




これからもいろんな局面を迎えるのだろうな。

家族ができ、守るべき子どもがいて
その分、決定することも多くなるしその重要度も増していく。


けれどこれからも 自分の責任において決めていきたい。
もちろん多くの方々からのアドバイスをいただきながら。




自分の責任で。
人のせいに絶対にしない。


人ではなく 
自分がどう生きたいかを胸に。












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Last updated  2015.11.05 09:07:40
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