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ひよきちわーるど

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2006.05.04
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カテゴリ:万葉染色

昨日、紫玉葱で染色致しました。

紫色の玉葱で染色しますと
不思議なことに緑色に仕上がるのですよ。

媒染剤は「明礬」もしくは「椿の灰汁」でね。




本を読みますと本当に多くの色の名がありますよね。
覚えきれないくらい。

そういう色の名を眺めるのも大好きなのですが
本当のところはね、私、自分で色の名を決めちゃうんです。

決めると言いましても
きれいな美しい名を付けるというわけではないのですよ。

本当にね、自分流なんです。
他の方がご覧になりましたら呆れてしまうのではないかなと思うくらい。




例えば先日紫玉葱で染めましたきれいな緑色など
「透明なソーダ水」

カモミール染め(鉄媒染)は「淋しそうな黄緑」

茜で染めたオレンジ色などは「ちょっとうるさい橙」

紫根で染めた紫色などは「クレオパトラ」

蓬で染めた色は「明るい田圃色」


・・・かなりいい加減でしょ(笑)?






不思議なもので 今まで数年かけて染め上げたひとつひとつの色
今でもはっきりと覚えているのですね。

色がきちんと記憶の抽斗に入っておりまして
必要なときに必要な分だけ引き出すのです。

我が家では染め上げた布が桐の箪笥の中に入り切らなくなり
今ではリビングの飾り棚の抽斗にまで入れています。




桐の箪笥、そしてリビングの飾り棚の抽斗・・・と
その中におさめられている1枚1枚の布を眺め

この布はいつ染めたか 染料は何を使ったか
媒染剤は何だったかを全て覚えています。

丹誠込め、時間をかけて染めた布ですので
忘れようがないのですね。



美しい日本の伝統色の名前、とても好きなのですけれど
染め上げた布を手にとって眺めるのはもっと好き。

自分で染めた布ですし
それを実際に手に取るわけですから実感がこもります。



自然素材で染めた布って不思議です。
光の当たり方ひとつで微妙にその色を変えるのですよ。

その変化に驚き そしてまた更に魅力を感じます。






今年の桜で染めた布でランチマットを作りましてね。
そのマット、先日お嫁に行っちゃったんです。

手放すとき、やはり少し淋しくなりましてね。
もう、この色に出逢うことはないんだなって。

だって手染めの色って 全く同じ色を出すことは不可能なのですよ。

確かに似たような色を染めることは可能です。
けれど、全く同じ色というのは無理なのです。






桜染めにしましても、そして蓬染めにしましても

桜の枝を拾いに行った日のことですとか
その時に少し冷たい雨の降っていたこととか

蓬を摘んだときの良い香りとか
たくさん摘んで まるで抱きかかえるようにして運んだ感触とか

染料を自分で調達していますと
本当に色々なことが思い出されるのですね。





どうして染色するの?と問われましても
自分でもその答えはよく分からないのですが

染め上がったときの
その色を眺めるのが嬉しいから・・なのかもしれません。





自分の心の奥深く分け入ってみれば
もっと他の答えが隠されているのかもしれませんけれど

せめて今は花や草木とお話するような気持ちで
染めていたいと思います。

















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Last updated  2015.10.26 10:21:29
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