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ひよきちわーるど

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2006.05.06
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カテゴリ:万葉染色

  桑の葉のもろ葉の露のしたたりの 

       けはひ静けきこのあしたかも

                
                    島木赤彦





昨日、桑の実を口に致しました。
ほぼ1年ぶりの桑の実となります。

黒く熟した実は口に入れますと すっと溶けてしまうかのようですが
まだ赤い実などはやや歯ごたえがあり、プチプチといった食感。

甘酸っぱさがもう少しほしいところです。



昨年初めて口にしましたときには
「お腹壊さないかな」などと おそるおそる試してみたものでした(笑)。

昨年は それこそ生まれて初めて口にしたものですから
感覚としまして「甘酸っぱさ」があったように記憶しているのですが
今回試してみたときにはその甘酸っぱさがほとんど感じられませんでした。





真っ黒な実、そして赤い実。
まるでラズベリーのような実を前にしまして
ひよきちがやることといいましたら やはり「染め」しかありません(笑)。

お鍋の中に桑の実をたくさん入れまして煮出してみました。

染液は深い深い紫色。
その中にウールを入れてみました。

この桑の実の色、アントシアン系かも・・と思いましたもので
明礬にて媒染しましたならば深みのあるグレーに染め上がると思っていたのです。

けれど実際には「紫色」に染め上がりました。

予想とは全く違う色に染め上がる・・・
これもまた染色の面白さではないかと思います。






最近ね、思うのです。
染めの出来を左右するものは布の質ではないだろうかと。
やはり良い布ですと染め上がりも違ってくるのですね。

ですので、私、自分で布を調達してみたくなったのです。


理想としましては自分の畑で桑を育て(もちろん無農薬)
その桑の葉で蚕を育てる。

蚕の吐き出す繭から絹糸をつくり出し、その絹糸で布を織る。

・・・想像しましただけでもわくわくしてきませんか?





でもね、ハードルがたくさんあることに気付いたのです。

それもひょいと飛び越せるような高さのものではなく
自分の背丈以上の高さのハードル b(T‐T)。

まず・・・・現在お借りしている畑では
「木を育ててはいけない」というお達しが地主さんから出ているのです。
そんなところで桑の木など育てれば即座に契約を取り消され
畑が使えなくなってしまう・・・。


そして、ひよきちは「お蚕さま」が怖い(T‐T)。
ゴキブリですとか蜘蛛ですとか、足のある虫は全く平気なのですが
芋虫、蚕などのワーム系が苦手なのです。

ですので毎日畑作業をしますとき 
ミミズや 今時ですとチョウチョの幼虫と出くわしましていつも悲鳴を上げております。




そうそう、小学生の頃、学校の理科室の前にて
先生がたくさんの蚕を飼っていましてね。

その理科室の前で何十匹もの蚕が桑の葉を食べているのです。
その、桑の葉を食べる音・・さわさわさわという、静かではあるけれど確実に迫りくる音(笑)。
あの頃のひよきちはその音が怖くてならなかったのです。

今聴きましたらばおそらくは
「蚕の皆さん、葉っぱをたくさん食べて 繭をよろしくお願いしますね。」などと
余裕でもって見ていられると思うのですが。






で、次の関所が最も難関だと思うのですが 「ひよは不器用」。
ええ、全くもって不器用なのです。
「家庭科」5段階評価におきましては見事に「2」をとっていたものでありまして。

え・・・夫や娘からは「男性だ!」と言われているひよきちではありますけれど
実は私、女性だったのですね。(内緒にしておりましたが)

女性の身で「家庭科2」を取るなどと
あなた、出来そうでなかなか出来ないことではありませんか。


そうなんです。
中学1年生の頃 家庭科の授業でエプロンを縫っておりましてね。
裁断するときに誤って せっかく縫っていたエプロンをば
はさみで「じょきん」と切りまくったわけですね。

その時、家庭科の先生に怒られたの何のって。




そんな私が、機織り機でですね
トンカラリと音も軽やかに美しい布を織ることが出来るでしょうか。

あの取り扱いの難しい機織り機なのですよ。



今だって時折 絹糸を染めたりもするのですが
その細い細い糸がこんがらがるのですね。

で、よくキレているわけなんです。
糸も私も。




数年前、子供用の機織り機を使って織ってみたのです。
その小さな機織り機を前に腕組みなどしている私に対し 愛する夫が一言。

「○○ちゃんと機織り機!」
「あはは!前代未聞の取り合わせやな!」

「ま、何事においても挑戦するということは大事やからな。
 結果云々よりも「挑戦する」という行為自体がすごい。」

「人生、当たって砕けることも大事やで!」


これを微妙な激励といわずして何と言おうか。
夫は本当に私のことを愛してくれているのでしょうか。






・・・様々な疑問を胸に今日も染めに挑戦し
そしてまた新たなことに挑んでいくわけです(*^_^*)














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Last updated  2015.10.26 10:24:47
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