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ひよきちわーるど

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2007.03.02
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カテゴリ:my friend


夜と昼ただ切れめなく咳きつぎて

      這ふ這ふの体のわが濃き三日



                  春日真木子






ようやく昨日の夜になって深い眠りにおちることができた。
夜中に何度か起きたような気がするけれど 
それでも久しぶりに睡眠をとることができたようでなんだか嬉しい。

ここ10日ほど明け方まで起きていたので意識も朦朧としており
夢かうつつか、の日々であった。

そんな毎日ではあったけれど子どもの世話はあるし
そして子ども会の打合せ、仕事も容赦なく入ってきており
まさに上掲の歌の如く「這ふ這ふの体」の有様であった。




殊に今回の発作は激しかった。まず、薬が効かない。
気管支が狭まり呼吸が苦しくなっているというのに、
特効薬であったはずの薬が何の役にも立たないのである。これにはひどく参ってしまった。

もちろん身体的にも参ってしまったのだけれど、それ以上に精神的に行き詰まってしまった。
もし、今以上に激しい発作が起きて薬が効かない場合、自分は一体どうなるのだろうと思った。

数年前 夫の実家のお向かいの方が突然激しい発作に襲われ
そのまま5分後にお亡くなりになってしまった。
病院の先生に伺うところによれば決して珍しい話ではないとのこと。
そのことを伺ったとき、「他人事ではない」と自分に言い聞かせた。




発症して20年近く。
その間、発作が起きてもこれさえあれは大丈夫だと信じていた薬が効かなくなったことで
自分自身、精神的に不安定になっていたのだと思う。
そして同時に少し自暴自棄になっていた部分もあった。

今まで自分が無茶を続けてきた結果、薬が効かなくなっているのなら納得もできるけれど
自分のやりたいことも我慢し気をつけてきたつもりであったのに、
それでも症状が悪化し続けているという事実。
そしてこれからも加齢とともに悪くなっていくとの先生の言葉。

自分の行き着く先は一体何処なのだと
自分も祖母のようにこの持病で死ぬことになるのかと
あきらめとも怒りとも付かぬ気持ちに覆われていたのだと思う。




そんな時、メールの友人が心配してメッセージを送ってくれた。
普段の私なら自分の感情を表にあらわすことなどしないのだけれど
その友人への返信の中でついつい自分の感情を出してしまった。
そう、自暴自棄という最もまずい形で。

「不安だよ~」「辛いよ~」とそんな形で自分の感情を出すのではなく、
「薬が効かないということはどんなことなの?」と問うてくれる友人に対し
「発作が起きたとき手の施しようもなくて、そのまま向こうに行ってしまうこと。」などと
答えてしまった。

・・・・他に答えようがなかった。いや、もっと考えれば答え方などいくつもあったのだろうけれど
その時には思い浮かばなかった。思い浮かべようとする気力もわかなかった。

それに「怖いよ。辛いよ」などと友人に訴えても、訴えられた方も困るのではないかと思った。
友人を困らせるくらいなら、身も蓋もない答え方をする方がまだよいのではないかと思った。
もちろんそんな答え方をした中には「でも頑張るよ」という気持ちも込めていたのだけれど。

そしてまた医療は日々進歩しているのであり、まだまだ良い治療法もあるはずだから
完治を諦めているわけでは絶対にない。







正直に書けば、「辛いよ~」「怖いよ~」と可愛らしく書く余裕が私にはなかった。
そして「大丈夫だよ♪」と友人に返信する強さもなかった。
友人にどんな風に伝えたらよいのか分からなかった。

伝え方は分からないけれど、でも、怖い思いをしていることは伝えたくて
けれど上手に伝える可愛らしさも強さも私にはなくて。





全く良くならないいらだちと焦りと不安。
もしかしたらそんな気持ちを友人にだけは分かってほしくて
それで拗ねたような文面になってしまったのではないか、と思い当たった。

馬鹿だな、と思った。これが自分の甘え方なのかと思った。
そう思ったらなんだか恥ずかしく いたたまれない気持ちに。










この数日間 昼も夜も続く咳と高熱の中

友人のことを、

「薬が効かないってどういうことなの?」と問うてくれたそのあたたかさを

独り 想っていた。















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Last updated  2015.06.26 10:13:09
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