ひよきちわーるど

親になりましてつくづく思いますことは、死にたくないということです。

なるほど「死にたくない」という気持ちの中にはいくつもの思いが含まれていると思うのですね。
まず、生物としての本能である「死にたくない」という気持ち。
次いで我が子のために例え一日でも長く生きていたいという願い。
そしてこれは個人としての思いなのですが、この世でやるべき事をきちんと果たしたいという思い。

本能としての思い、そして親としての思いはここでは詳しく書かぬ事に致します。
この日記では「この世で果たすべき事をきちんとやり終えたい」ということについて
自分の思いを書き綴ってみたいと思います。





私は仏教徒でありますので、生命は三世にわたって永遠だと思っております。
ですので、例え今世での生を終えたとしましても
また新たにこの世に生まれ出てくると思うのです。

正直に申しますと　今、４１歳という年齢でまだ死にたくはありません。
なんだかね、ようやくこの年齢になりまして
生きることが更に楽しくなってきているのです。

おそらくはもう既に人生の折り返し地点を過ぎているのでしょう
その思いが、残りの人生を更に実り多きものにしていきたいとの願いに繋がります。



せっかくこの世に生まれてきているのですから何かを残したい、そう思います。
もちろんそれは歴史に名を残すとか（笑）、業績を残すとかそういうことではありません。
自分の外側に残すのではなく、自分の心に何かを刻みつけたいのです。

自分の心に何が最も深く刻み込まれたか。
それこそが自分の人生の勝負を決めるのではないだろうかと。

そう思いますと他人と競争することの愚かさを知ることができます。
今更他人に勝って一体何が残るというのでしょう。




私は朝夕に仏前に座り勤行を致しますが
この時間こそが自分のいのちを振り返ることのできる時であり
また自身を軌道修正するのに最高の修行だと思っております。

朝には今日一日有意義でありますように、そしてまた無事故でありますよう祈ります。
そして夜には今日一日の自分を振り返り、他者に対して優しくあったか、美しい心でいたか
自分に問います。





今ね、死にたくないな・・・と思うのは
ようやく４１年かけて培ってきたものを失いたくないということなのです。

だって　この世を去り再び生まれ出る時、
その時自分はまだ何も知らない赤ん坊になっているわけでしょう？
また一から全て学ばなければならなくなるわけです。

そう、お箸の使い方や言葉の習得、足し算、引き算・・・・ああ、目眩が致しますね（笑）。
そういうことをまた最初から練習しなければならないわけですね。
そういうのってなんだか時間の無駄だなと思ってしまうのです。仕方のないことなのですけどね。

ですので、私、今から祈っていることがあるのです。来世にむけて。
気が早いかな？でも早いとは思わない。
自分にとって必要なことはいつからでも祈り始めて良いわけですからね。



まず、自分が４０年かけて培ったものを　来世では２０年で習得したいということ。
そのためには・・学問の面で考えましたら
人の２倍以上の速さで習得できる明晰な頭脳を備えていたいということ。
もちろん、その頭脳を人との無駄な競争で使うのではなく、また自分のためだけに使うのではなく
人々の平和のために使いこなしていける人間になりたいのです。

人との交流という面で考えましたら・・人の心の痛みの分かる人間になりたいということ。
そういうぬくもりのある人間として育っていきたいと思うのです。
そしてそういう人間に育っていくのにふさわしい家庭に生まれてきたいと思います。

そして現在私がたもっている信仰を来世でもたもち続けていたいということ。
そして悩んでいる人、苦しんでいる人がいたら
すぐにその人の元に駆けつけることのできる自分になりたいということ。
そう、日本全国何処へでも。
そのためにもっと頑健になりたいし、すぐに駆けつけられるだけの時間と財力とを備えていたい。




法華経では　自分の望む時に　望む場所に、そして自分の望む姿で
この世に生まれ出てくることができると説いています。

法華経、好きなのです。
人間の本来持っている力を信じることができます。
行き詰まりがないのですね。どこまで行っても。

神仏に「○○してください」と縋るのではなく、誓願する。
自分はこう生きていくと、そのために、神仏に対し我に味方せよと宣言する。

それが本来の勤行であり、祈りだと思うのです。


・・・こういう結論に至るまで４０年かかったわけです。長すぎる。
来世では２０歳でこの結論に到達したいものです。そして更に前進していきたい。

何度この世に生まれてきたとしても、そのたびごとに同じ事の繰り返しなんてつまらない。
生まれてくるそのたびごとに　少しずつでも良いから前進していきたいと思います。




数日前の日記にも書きましたけれども　
自分の内面の世界というものは他者の踏み込むことのできない領域です。

言い換えるとするならば、自分の内面を豊かなものとするためには
他者に頼るのではなく、ましてや誰か他の人が豊かにしてくれるわけでもなく、　
自分で豊かになっていくしかないわけでして　他者はあくまでそのきっかけであるに過ぎない。

自分の精神世界は自分の力で深く耕していくしかない。




これからの私の目標その１．
この世で４０年かかって得たものを　次の世ではその半分の２０年で自分のものとする。
そのために今、祈り続けていく。もちろん今世のことも祈っていく。



自分の未来を知りたいと思うならば　今、自分が何をしているかを見ればよい。
この世でも　そして次の世でも挑戦し続ける心をもっていたい。




蓮祖曰く

「過去の因を知らんと欲せば、その現在の果を見よ。
未来の果を知らんと欲せば、その現在の因を見よ。」