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ひよきちわーるど

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2008.10.10
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カテゴリ:版画
・・・実際に自分の手で版画を作るようになって、思いましたこと。

どうして自分は、こうも伝統文様にこだわるのだろうと。
自分の技量を考えれば、もっとシンプルなものにするべきだ、と。

でも、気がついてみれば
着物の裾模様なものを必死になって彫っているのですね。

何と言いましょうか
裾模様・・・もしくは日本画の世界に惹かれている自分を発見。



最初はね、ハーブの世界を彫ってみようと思っていたのです。
そう、例えばカモミールで染め上げた布でコースターを作りまして
それにカモミールの版画を施す・・・といった具合に。

けれど、いざ彫刻刀を手にしますと
いつのまにやら着物の裾模様になってしまっている。

・・・・上手く言えないのですが
心が「伝統文様でないといや。」と言っているんです(笑)。
せっかく指を怪我しながら作り上げる世界なのですから
本当に自分の好きな世界でないといやだ、と自分の中の誰か(?)が訴えるのですね。

で、その「誰か」をなだめるために
江戸時代の古布などを参考にしながら、彫るべき文様を決めているわけです。





・・・何だか不思議だなあと思いました。

実際の自分は「さあ、ミントにしようか、カモミールにしようか」と思いながら
ハーブの本や写真集などを机に用意しているというのに
いざ彫刻刀などを手にしますと、何やらゴソゴソと
本棚から「冷泉家展目録」や「正倉院展」を持ってきてしまうのです(笑)。







・・・そこで、はっと思い当たりました。
これはもしかしましたら「血」ではないのか、と。

思えば 父方の先祖は呉服商を営んでおりまして
母方は日本画を嗜み、織物を生業としておりました。

しかしながら現在の私自身は着物に対して何の知識も持っておりませず
(いつもお馬鹿なことをしでかし、着付けの先生に注意を受けている(^^;))
日本画に関しましても全く関わりを持っておりません。

それなのに、42歳になって初めて
日本画や着物の文様に興味を抱き始めているのです。




・・・もしかしましたら これは
以前の日記にも書いた「時限爆弾」ではないかと思いました。

そう、時が来れば突如として表れる起爆装置です。

私はまたもやその起爆装置の法則に従う形で
今現在、日本画や伝統文様の世界に身を置こうとしているのかも知れない、と。





けれど、不思議ですね。
どうしてまた、42歳という年齢になって
いきなりの起爆装置発動なのだ?と(笑)。

・・そう、確か大学1年生の頃でしたか
当時美術館の館長をなさっていた教授から
「私の研究室に入って日本画を専攻するように」とお声をかけて頂いたのですが
その時の私は他に専攻したいものがありましたので・・・。

日本画を観ましても 美しいなとは思うのですが
しかし当時はそれ以上惹かれることが無かったのですね。

今思いますに、あの時日本画の世界に足を踏み入れたならば
おそらく多くのことを学ばせて頂くこともできたのに・・・と。

24年前の自分がほとんど興味をもつこともなかったものに
今頃になってようやく関心をもつようになってきているのです。
人間って不思議なものですね。



先日の日記にも書きましたけれども
小村雪岱、「印刷見聞録」の和のデザイン、
そして「和歌の総角」に出逢わなかったならば
おそらく、私が日本画の世界に目覚めることもなかっただろうと。

そう考えてみますと 出逢いというものには
一体どれほどのエネルギー、可能性が秘められていることだろうと思うのです。





自分の奥深くに眠る記憶・・・遠い先祖の記憶を秘め持ちながら
しばらくは、この日本画、伝統文様の中に身を置くこととなりそうです。













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Last updated  2015.03.23 12:27:04
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